朽木ルキア大ブレイクの予感パート12 :  6氏 投稿日:2005/11/24(木) 21:14:50


※続編になります。先にこちらをお読み下さい。


「…何をおっしゃるのですか!」
晴天の昼下がり、一番隊隊舎に浮竹の激昂した声が響く。
「…言うたじゃろ、解らぬ事はあるまい。
朽木ルキアに反逆の疑いがかかっておると言うたのじゃ。
この頃、何かと不穏分子と付き合いがあるそうではないか」
「何かの間違いでしょう?
朽木にそんな力があるとは思えませんし、何より証拠は―――」
病人だというのに、息もつかずに訊き返す。
「藍染が何か言うておったの、朽木は何か不思議な力をもっておると。
それに、自分の隊の裏切り者が吐いたとも言うておった」
「そんな…」
一瞬にして顔面を蒼白にさせる浮竹。言葉が出てこない。
藍染は信頼があったし、皆から好まれていた。好まれているのは、それ相応の人物であるからだ。
その藍染の情報―――ましてや嘘の確立などゼロに等しかった。
浮竹は混乱渦巻く頭の中で、反論の言葉を模索する。
「しかし、朽木の口から出ない事には…」
「そうじゃ、それも分かっておる。
その上で四日後の晩に呼び出しをして問いただすと言ったのだが」
良かった、まだ確定はしていない―――しかし、安心しきれる訳でもない。
浮竹は、特に部下には慈悲深かった。例え、擁護する事によって自分が窮地に立たされると知っていても、それを実行する男だった。
だが相手は自分の師、そして尸魂界全体。たかが自分一人が抗ったところで、何も変わりはしない。
下手に行動するより、早く無実が証明されれば良い―――そう思った浮竹は、ルキアを行かせる事を承諾する。
「…了承しました、では四日後の8時頃に向かわせます」
「よろしい、では解散じゃ」
そう言われ、浮竹は一と書かれた大きな扉を後にする。
(藍染が…あのような事を…?)
藍染の情報一つと言う事に気がかかったが、それよりもやはりルキアの事が気が気でなかった。
「…朽木に限ってそんな事はないよな、うん」
一人で自己満足する。そうでもしないと、深い闇の底へ引き込まれそうだった。
浮竹の姿は、十三番隊隊舎へ向かって消えてゆく。
―――――ザッ、と浮竹の去った後に音がする。
浮竹の後姿を眺めて、満足そうに笑む影がそこにはあった…。

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立派な食膳が朽木家の夜の食卓を飾る。
しかし、そこにはいつもいる筈のルキアの姿がなかった。いたのは白哉とその執事だけだった。
先程から幾ら待っても、ルキアは来ない。
「もう御食事が冷めてしまいます、お食べになられては」
「そうするか…いらぬ噂がたたなければ良いが…」
白哉が箸をつけ始める…と、食卓の前の戸が開いた。
「遅れて真に申し訳ございません。ルキア、只今戻りました」
どこか疲れた顔のルキアが現れ、そのまま自分の席に腰を落とす。
「…どこへ行っていた」
無表情のまま、白哉が問う。その裏には、どんな感情が隠されているのだろうか。
「…業務が長引きました」
―――あのような事が言えるわけがない。
ルキアが起きると、辺りは夕闇に包まれていた。
衣は何一つ纏っておらず、あちこちに死覇装と襦袢が散らばっている。
「く…っ!!」
体を起こそうとすると、激痛が走る。
(―――あ)
思い出す、つい先刻のあの嫌な出来事を。
下半身から、とろりと何かが出てくるのを感じた。見ると、それは白い液体。
「あ…どうすれば…」
ルキアは途方に暮れる―――このままでは帰れない!
すると、突然執務室の戸が開く。
「……!」
ルキアは反射的に机の物陰に隠れた。
陰から様子を伺うと…入ってきたのは三番隊の死神らしき男一人と
(吉良!?)
あれほどされたのだから、驚くのも無理も無い。しかも、ある事に気付く。
(しまった、死覇装と白襦袢が―――!!)
散らばっていて、取ろうにもこれでは取れない。ばれるのも時間の問題である。
「しっかし隊長どこ行ったんスかねぇ、吉良副隊長」
(そう言えば朽木くんもどこへ―――)
そう思いながら、表情は素のまま声を返す。
「本当だね、ちょっと用があるのに…」
ふと、イヅルは床に落ちている何か黒いモノに目が行く。それは着物だった。
その部下らしき男が横を向くと、イヅルの視線はどこか別なところを向いていて、
「どうしたんス…」
…その目線を辿ると
「…あ、あれは…?」
落ちている死覇装を見つけてしまった。数刻と経たぬうちに、白襦袢も見つかった。
「なんなんスか、これ…なんとなく女モノのような気がするんスけど…」
最早ルキアの立たされた立場は絶望的だった。
この姿で発見されたらどうなるか、いや、どう逃げれば―――ルキアの頭にはそれしかなかった。
「…この机の裏になんかいるような」
イヅルの連れの死神が机へと向かって歩き出す。
(―――この霊力は…!!)
イヅルはハッとする。もしや、ルキアはあのままここにいるのではないかと。
「…あ、そうだ、用ならもう明日でいいや」
唐突に、どう見ても不自然にイヅルが切り出す。
「…どうしたんスか急に?」
部下がイヅルに不審の目を向ける。
この状況下でいきなりそのような事を言い出すのだから無理もない。
「いや、なんかちょっと疲れが…君も疲れているだろう、ゆっくり休むといい」
「なんかちぐはぐっスけど…まあいいや、帰れるんなら先にお暇しますよ。
では、副隊長も御体に気をつけて下さい。疲れが溜まってるってんなら尚更っス」
不審感を拭わぬままに、しかし彼にとってはそんな事どうでも良かったのかも知れない。
お陰で、ルキアも、イヅルも助かった。
「ふぅ…と、朽木くん、もう大丈夫だよ」
しかし、そのまま出られるルキアではない。何せ、何も纏っていないのだから。
「すまぬ吉良、その隊衣をとってくれぬか?」
「うん…どうぞ」
吉良は前回の件で流石に反省したのか、ルキアへの慰めと謝罪の言葉を並べる。
「さっきは本当にすまなかった。そして助けられなくて…」
「…その件ならもう良い、…吉良にはそれほど怒っておらぬよ。
…ところで吉良、貴様の家で風呂を借りれぬか…?」
ルキアが、ばつが悪そうに俯いて、その先を誤魔化す。
「…言わなくていいよ。お風呂ならもう用意してあるから。
ゆっくり体を洗ってくるといい」
「おっ、気が利くな吉良!」
途端に表情と口調が明るくなった。
その事で気を取り直したルキアは、イヅルの反省の意も汲み取ったのか、イヅルに良からぬ思考など巡らなさくなった。
それからは、イヅルを再び『味方』として捕らえ始めたのだ。
そんなこんなで、結局朽木邸に帰ったのは夜になってしまったのだった。
しかし、この事だけでもルキアは言う事が出来なかった。
幾ら養子とは言えども、大貴族の娘が夜まで外出したとなれば、どんな噂がたつやも分からない。
貴族の名に恥を塗るような事があれば、例え些細な事でも白哉の怒りを買うのは確実だった。
ましてや、純潔を奪われたなどとなっては―――それが無理矢理であったとしても。
「とりあえず、ルキア様も御食事をお食べになられては」
執事が空気の流れの悪さを読み取り、とりあえずそれを正そうと食事を促す。
「…分かりました」
いただきます、と小声で言うと、ルキアも食事に手を付け始める。
だが、箸が進まない。食欲がわかないのだ。
その様子に気付いた白哉、だが慰めの言葉などなく
「…何があったのかは後で問おう。寝る前に私の部屋へ来い」
と言うのみ。
「…了解しました」
…また、昨日の夜のような事があるのだろうか。
いや、問うだけだ、そう思いたい…!
そう信じるしかなかった。ルキアに残された逃げ道はもうなかった―――――。


案の定、白哉の部屋へ行くと既に布団が敷かれていた。
そして、白哉は相変わらず何かを書いていた。白哉のところにだけ灯が照らされ、かえって不気味である。
「………」
ルキアは黙っていた。部屋には筆のさらさらという音しか聞こえない。
周りはほぼ真っ暗に等しい。筆の音以外、無音の世界だ。
恐ろしいほど静かなその部屋。ちらちらと灯がおぼつかない。
暫しの間の沈黙…しかしそれは長すぎて、ルキアは痺れを切らす。
「あの…」
と言いかけ、語尾を濁らした。
「なんだ、もうしてほしいと言うのか。
随分と安い娘になったものだな、ルキア」
即答が返って来る。
(やはり―――)
ルキアは改めて自分の置かれた立場を認識する。
しかし、ルキアのその気はなかった。こうなれば、命令が来るまで待機するまでだ。
…だが、命令は意外と早くに飛んできた。
「…解らぬか?」
「……!!!!」
「布団に横になれ、と言うのだ」
流石のルキアも白哉には逆らえない。白哉の命令は絶対だった。
「…はい」
覚悟を決めて布団に横たわる。
もう失うものは何もない―――と悲愴な覚悟を決めて。
しかし、目を閉じて仰向けに寝転がると、違う、と指図が飛ぶ。
襦袢を脱いで寝転べ、と言ってきたのだった。
勿論、ルキアが自らそのような事を出来るはずがない。
ルキアは喉から震える小声を絞り出す。
「できません…!!」
「二度は言わぬぞ」
だが、やはり昼間の恐怖が植えつけられているせいか、行動には移せない。
それにルキアの誇りの問題もある。いくらされるとは言えど、自ら動く事は出来なかった。
「貴様、この私に逆らうつもりか」
「いえ、そんなつもりはっ…!」
反射的にルキアが反論する。
逆らう事は出来ない。だが、従う事も出来なかった。
二つの間で揺れ動くルキアの心。
「そうか…では、貴様はあの幼馴染がどうなっても良いのだな?」
ルキアの目に動揺が走った。
四大貴族と言えば、死神の中でも特に強く、特に権力が大きい。
それ故に、法に触れさえしなければなんでもできるのだ。
白哉はその四大貴族の一つ、朽木家の現当主、そして歴代最強当主でもある。
それならば、あの恋次を死神職から追放し、流魂街に帰す事も容易い。
…最もそんな事をすれば評判はガタ落ちするので、白哉にその気はないのだが。
しかし、純粋なルキアはその言葉を真に受けてしまう。
(私の為に恋次が苦しい目に遭うなど…)
ついにルキアは覚悟を決め、白哉にその純黒の瞳を向けた。
それを理解した白哉は、ルキアを振り返り視線を浴びせる。
ルキアは目を瞑り、帯に手を伸ばそうとするが
「目を開け」
そう命令され、仕方なしに目を開ける。
目を開けると、白哉の視線を感じ一層羞恥感が増す。
だが仕方ない、自分のせいで恋次に不幸が降り注いではいけない。
しゅるしゅると帯を解く。それは心の準備の時間でもあったが、一瞬で終わってしまう。
押さえつける力のなくなった襦袢の前の部分―――特に、両乳房の一部から股間までがはだける。
これだけでも十分恥ずかしいのに、この男の前では何一つ身につけてはいけない。
白哉の前では、ルキアのプライドはないに等しかった。
襟元をつかみ、自分で下ろす。自らこの行為をしなければいけないというのはどれだけ恥ずかしい事か。
ついには、ルキアの全裸が惜しげもなく白哉の前に現れた。
ルキアはあまりの恥ずかしさに赤面して俯く。だが、白哉は冷たく
「顔を下げるな、ルキア」
と言い放つ。すると、必然的に白哉の顔を見なければならない。
見られている…白哉の観察するような目を真に受ける。
羞恥心が更にかきたてられ、静かな部屋の中、どくんどくんと自分の鼓動が速くなってゆくのを感じた。
直接触られているわけではない、しかし何か得体の知れないものに舐めまわされていた。
ルキアの白哉を見る目には、怯えの色が浮かんでいる。
白哉の目が、ルキアの白い肌にくいつく。ルキアは顔を恥ずかしそうに綻ばせた。
次の白哉の視線は未発達な胸に向かった。
白哉の視線が、ルキアを攻め立てているようで、それだけでルキアの胸はもどかしくなってくる。
たったそれだけの事なのに、ルキアは興奮し、乳首も勃ってきていた。
「厭らしい娘だ。これだけで興奮しているのか」
いきなり図星を当てられて、ルキアは恥ずかしさに俯いてしまう。
こんな事に反応してしまう自分の体に、ルキアは自虐心さえ抱いた。
と、白哉の目が下へ向かっていくのを感じたルキア。
「や…見ないで…くださ…っ」
胸だけでも十分恥ずかしいが、恥部といえばもっと抵抗があった。
自分の手で恥部を隠し、今にでも消え入りそうな声で言う。語尾までは言葉にならない。
…が、白哉のそれに対する反応は冷酷そのものだった。
「なんだ、自慰でも始めようとしているのか。本当に厭らしい娘だ」
「ちが…い…ます…」
そう思われるのが嫌なルキアは即答をするが
「ならば隠すな」
と二者択一を迫られる。
無論、自慰などできるわけもなく、手をどかさなければならなかった。
ルキアは渋々と、顔を赤く染めて手をどかした。
うっすらと生えて間もないルキアの陰部が露わになる。
そこは、処女を喪失したというのに未だ綺麗そのものであった、が、白哉がふとある事に気付く。
「…貴様は見られただけで濡れるのか?」
「やっ…違い…ます…」
しかし否定の仕様はなく、薄く湿っているルキアの陰部。
鋭く貫かれるような視線を自分の未熟なソコに向けられ、ルキアはこれ以上にない羞恥を覚える。
早く終わってほしい、そのルキアの思いは伝わらない。
「に…い…さま…っ!」
ついには目の淵に涙を浮かべて懇願する。
すると、思いが伝わったのか、白哉が動く素振りを見せた。
「そんなに早くしてほしいか。全く、朽木家の恥だ」
恥と言えども、ルキアを朽木家の置く白哉。
では、なんの為に私など置いているのか―――そこが、ルキアに得体の知れない恐怖を与えていた。
「…布団に寝転べと言うのが解らぬか。…早く触ってほしくはないのか?」
ルキアにそんな気はさらさらない。だが、白哉の命令である。
従わなければいけない、しかし従うと自分から認めたという事になってしまう。
体中に浴びせられる視線、そして自分を責めたてるような視線を感じるルキア。
「どうした、私はこのままでもいいのだぞ?」
「そ…んな…」
最早ルキアに選べる選択肢は一つしかなかった。
本心ではなくとも自ら頼む、それは嫌だったが、このままずっと見られているままでもどかしいのはもっと嫌だった。
ルキアは諦め、布団に横になる。そのまま目を瞑った。
真っ白な布団に、ルキアの新雪の如く真っ白な体がよく映える。
「そこまでしてほしいと言うのなら、やるしかあるまい」
そう言うと白哉は、墨も何もついていない乾いた筆を取り出した。
そのまま、白いなだらかな丘に持っていく。
「ひゃあっ!?」
両方とも筆で攻められ、くすぐったさが体中に伝わる。
だが、敢えて真ん中には触れようとせず、その周りをゆっくりと撫で回す。
「ふ…ぅ…っ」
ルキアは目を瞑り、歯を食いしばってくすぐったすぎる刺激に耐えている。
乳房も、そして乳首も次第にもどかしくなってくる。
「んっ…」
ふと、筆が強く押し付けられ、ぐりぐりと突起の周りを通っていく。
それに合わせ、ルキアの柔らかい乳はふにふにと姿を変えながら、ルキアの神経に僅かな刺激を与えている。
かと思うと、今度は筆の先がつくかつかないか程度にまで引き上げられた。
ほんの少し触れる、そのくすぐったさが逆にもどかしかった。
かえって、こっちの方が刺激が強く、ルキアはびくびくと体を震わせる。
「はっ…ぁ…やめ…に…いさま…!!」
ルキアの胸の頂点の突起は既にしっかりと上を向いていた。
まるで、快感を欲しがるかのように…しかし、白哉は一向に触れようとしない。
ルキアは必死に静止の懇願をするが、その反面ルキアの体は火照っていた。
「くっ…う…ぁ…」
ルキアがもどかしさに顔を歪める。
それを見届けた白哉は、無表情のまま筆を浮かした。
いきなり感覚がなくなり、理解し難いルキアが困惑の表情を浮かべようとするその一瞬
「ひぃっ!」
ついに、ルキアの頂点に筆が触れた。
そのくすぐったい感覚と、さんざん焦らしを受けたせいで快感値が跳ね上がる。
筆は、ルキアの乳首に触れても尚しっかりと触ろうとはせず、妙な感覚をルキアに与える。
「う…ぁ…はっ…!」
ルキアが苦しげな顔で喘ぐ。しかし、快感に震えているのは確かだった。
その光景は非常に色っぽく、普段感情を見せない白哉も興奮しているかのように見えた。
そのうち、ルキアは下腹部がもどかしくなっていくのを感じる。
それを抑えようと、ルキアは腿を擦り合わせようとする。
「何をしている」
勿論、白哉がそれを見逃すわけがない。
「そ、それは…ふうっ…!」
問いながらも攻めの手を休めない白哉。
ルキアはしようのない否定をしようとするが、それさえさせてもらえない。
だが気付かれていると知っていても、ルキアは腿を擦り合わせるのをやめようとはしなかった。
そうしていないと、何かが吹っ切れてしまいそうだった。
「まったく、私はこのように育てた覚えはないが」
白哉は大袈裟に息をつくと、筆をあげた。
ルキアは、はぁはぁと苦しげな瞳を白哉に向ける。
筆を持った白哉の手が下の方へ移動していく…と、ルキアの恥部に到達するなり、手を下げた。
「んんっ!」
ルキアのそこにさらさらとした感覚が訪れた。
既にそこは薄く濡れていて、筆に少しの水分が含まれる。
「は…あぁっ!」
纏まりのない毛が、ルキアの陰部をちくちくと刺激する。
そのちぐはぐさに、以前からは考えられない大きな反応を示すルキア。
白哉は相変わらず巧妙な手つきでルキアを攻めたてる。
ルキアも気持ちとは逆に快感の波に飲まれようとした、その時
「……!!!!」
ルキアははっと我に戻された。今まで何をしていたのかが思い知らされる。
未だに、さんざん続いていた胸と恥部への攻めの余韻が残っていた。
それでも、気を取り直したルキアは、この行為への反抗に必死になる。
「兄様、お願いですから…もう、…やめて下さい!」
すると、白哉はルキアの頭を掴んで口を開く。
「今まで喘いでいたのは誰だ?」
「そ、それは…」
完全な否定ができなくて、ルキアは口篭った。目線を逸らす。
それを見て内心満足した白哉は、しかし表面では不満を募らす。
「貴様から求めてきて、貴様からやめろと言うのか。
いつから貴様はそれほど偉くなった?」
「そんな…違います兄様、それは私ではなく…!!」
「言い訳は良い」
ルキアの必死の反論を、白哉は冷徹に叩き落した。
ルキアは逃げる道がなく、言い様のない畏怖を抱く。
…一時置いて、白哉が再び喋り出す。
「とりあえず、貴様ばかりでは不公平と言うものだ。
私のモノにも奉仕してもらおうか」
「…はい?」
意味の理解できないルキアを他所に、白哉は着物を脱ぎ捨てる。
すると、ルキアの眼前には昼間見たのと似たようなモノがそそり立っていた。
「あ……ぁ……」
ルキアは目を見開き、恐怖に固まったまま動かない。頭の中は真っ白で何も考えられなかった。
固まって動こうとしないルキアに、白哉は命令を出そうとする。
「口に含めと言ったのだ、解らぬか?」
しかしルキアは全く動かない。動けたとしても理解ができるはずがなかった。
「…教えてやらぬと解らぬか」
そう言うと、白哉はルキアの頭を掴み、顔を上げろと促す。
半ば放心状態のルキアが口を開けると、強引にその小さな口に捩じ込んだ。
「んむぐぅっ!?」
その苦しさにルキアは目を覚まし、そして目を見開く。
ルキアの口内にカウパー液の臭いが広がる。
そもそも、ルキアには何故白哉がこのような事をしているのかさえ分からなかった。
言葉を紡ごうにも、口は白哉のそれで塞がれ、苦しさで息をする事すら困難だった。
「そのまま口を動かせ」
「ん…ぐぅっ」
返事は許されず、代わりに出来るのはその行為のみ。
しかし、ルキアがそのような行為のやり方を知る訳もない。
白哉のソレは小さいルキアの口には入りきらず、最大限にこじ開けられても息をするので精一杯だった。
「もう一度言うぞ、口を動かせ」
白哉が促す。それを耳にし、ルキアは白哉の表情を窺おうとする。
―――威圧感、ルキアは白哉の目からそれを感じ取る。
普段のルキアであれば、もう噛み付いていた筈だった。この屈辱から逃れようと。
しかし、今のルキアの前に居るのは白哉。そういう事が出来る相手ではなかった。
(兄様、何故―――!!)
ルキアは諦めて、行為を始めようとする。
当然やった事などなく、初めてなのでおぼつかない。
口に含ませたそれを上下させる。ルキアの唾液が絡む。
ルキアの小さな口では根元までは入りきらず、またしばしば歯も当たってしまう。
それに白哉は不快の意を表し
「歯をたてるな」
と言い、更に付け足す。
「それと、手が余っているだろう。口に入りきらぬところは手を使え」
嫌だった、だがルキアは従うしかなかった。
指で根元を擦り、歯を立てないように必死に自分のモノに奉仕している姿は、快感以外の何ものでもなかった。
ルキアは、いかにも顔を苦しさに歪ませ、苦しそうに上下させている。
「舌も使え」
ルキアは次の命令に反応する。ルキアの細くか弱い舌が太い根に絡みつく。
それに呼応し、白哉のそれは一段と大きさを増した。
「ん…ぐぅ…ぁ…」
苦しみのあまり声が漏れる。口の端からは含み切れなくなった唾液が伝っている。
目の淵には涙を湛え、それでもなお行為をやめる事はできない。
「初めてにしてはなかなか良いではないかルキア。
…もしや、他の男にもこれをしているのではあるまいな?」
ルキアの懸命さを評価する白哉。それと共にありもしない事を尋ねる。
「あ…んぐ…うっ…」
しかし、ルキアが答えられるはずがない。
言葉にしようとしても、それは喘ぎ声の一部にしか成り得なかった。
「…舌が留守だぞ」
一瞬の隙を衝かれる。すぐに舌を絡ませ、その棒に擦り付けた。
白哉の方にもだんだん限界というものが迫ってくる。興奮が隠し切れていない。
「もう少しで出るが、全て飲み込め」
ルキアにはさっぱり何の事か分からない。飲み込むと言っても、何を飲み込めばいいのか分からない。
竿の先からは液が流れ出し、ルキアは何か得体の知れない恐怖を感じた。
だが、白哉の機嫌を損なってはいけない、そう思ったルキアは思い切って吸ってみた。
目の淵に湛えた雫が、つうと流れ落ちるその瞬間―――
「んむぐうっ!?」
ルキアは思いっきり目を見開く。白哉の自身がルキアの口内で暴れまわる。
それと共に、ルキアの口内に大量の白濁の液が流れ込んだ。
どくんどくんと波打つように跳ね、そこからは絶えずどろどろとしたものが発射される。
最初のうちは口を離さなかったルキアだが、その多さにむせ込んでつい離してしまう。
「兄様っ…かっ…は…」
けほけほとむせ込むその間にも、ルキアの顔は白濁の液によって汚されている。
数秒経つと、やっとそれも止んだ。ルキアは、今のが何だったか理解しかねていた。
しかし、ルキアにはそれよりも先にしなければならない事があった。
「申し訳ありません兄様ッ!」
そう、飲み込めという命令を破っていた事に気付いたのだ。
しかも苦しそうにむせ込んだ上に、布団まで汚して…。ルキアは、白哉がすっかり怒り心頭だったと思ったのだった。
自分の汚れた顔を拭うよりも先に、布団に頭をつける。
綺麗な黒い髪にも点々と白いモノがついているのをよそに、必死に許しを請うていた。
その姿に白哉は満足し、なのでルキアの想像していたのとは大きく違っていた。
「悪くはなかった、顔を上げるが良い」
その言葉に、許しを貰えたのかと顔を上げるルキア。
だが、その先にあったのはいつもの冷徹な白哉の無表情だった。
ルキアの顔に怯えの色が浮かぶ。口が半開きになる。
「そこまで怯えなくとも良い。
私は褒美として貴様に先程の続きをしてやるだけだ」
そう言うと、白哉は再び筆を手にした。今度は、ルキアによって少し湿っていたが。
ルキアはそれを見て、驚き慌てふためく。
「お、お待ち下さい兄さ…はぁっ!」
最後までは言葉にさせてもらえなかった。筆の先が、ルキアの陰部をぷにぷにと突付いた。
今度は片方の筆がルキアの下腹部を攻め、もう片方がルキアのあらゆる処を攻める。
「ふあっ…ひぃっ…!!」
片方が恥部を集中して攻めているかと思えば、もう一方ではルキアの首元をくすぐる。
その二つの相容れない刺激がルキアを攻めたてていた。
ルキアは恥辱に目を瞑る。が、しかし下腹部から湧き上がる快感にすぐ開かれてしまう。
そして、それに追い打ちをかけるかのようにもう一方は胸の上を通過する。
「やあ…んああぁぁっ!」
ルキアは絶え間なく喘がされ、息をつく暇もない。
もう顔や髪が汚れている事など気がつかないという程に乱れ続ける。
その姿は、泣きじゃくる子供のようにも見えたし、抵抗しながらも大人びた嬌声をあげさせられているようにも取れた。
「は…あ…にいさ…んうぅっ!」
突然、白哉は片方の筆を置き、その手でルキアの声を遮るかのように恥部を押し広げた。
「ここまで濡れているとは…どこまで厭らしいのだ貴様は」
事実、ルキアのソコは潤っており、今にも液が溢れ出てきそうだった。
白哉はその押し広げた割れ目に筆を入れる、と
「はああぁぁっ!!」
ルキアが凄まじい反応を示す。流石の白哉も驚く。
…が、すぐに白哉はある事に気付く。
「貴様…もしや貞操を失くしたわけではあるまいな?」
筆を上下させながら問う。筆が膣内のところどころをちくちくと刺激する。
「ふあっ…そん…んっ、なこと…ああぁっ!」
ろくに答えられず、ルキアは誤解を解く事すらままならない。
その間にも絶え間なく膣内の刺激は与えられ続ける。
白哉が押さえつけていた指を離すと、肉の壁が筆を強く挟むようになってしまう。
未だルキアの締め付けはきつく、しかしそのせいで余計に感じてしまう。
「いぃぃっ!」
快感に、ルキアは広げられていた足を閉じようとした。
しかし、そうすると自然と白哉を押さえこむ体勢になってしまうが、今のルキアにはそれすら気付かない。
ルキアのこの乱れように不審を持った白哉は再び同じ問いを出した。
「…貴様は私以外の誰かに足を開いたか?」
幾らルキアと言えど、そのような事を正直に言える筈がない。
「ありま…っく、やあっ…あんっ!」
最早答えにならない答えを出すルキア。
…白哉には、大体の事が予想できた。誰にやられたのか、なども。
だが、ルキアは人のサディスティックな部分を引き出してしまうような不思議な魅力を持っていた。
なので、白哉はわざとルキアが答えるまで待っていたのだ。それこそ不可能な条件下で。
そのまま数分が過ぎ、やがて白哉は泥で出来た助け舟を出す。
「市丸か」
図星を当てられ、明らかに動揺するルキア。
しかし、筆による刺激に邪魔をされて答えられない。口から漏れるのは悩ましい喘ぎ声だけだった。
「…まったく、本当に厭らしい娘だ」
そう言うと、白哉はルキアのソコから筆を抜いた。
「んっ…はぁ、はぁっ…!」
障害がなくなり、息継ぎをする…のも、あっという間だった。
次の瞬間には口に何か生温いものが差し込まれていた。
「むぐっ!?」
「答えぬというのなら良いだろう、答えさせるまでだ」
自分で自分の蜜の味を確かめさせられる。
恥ずかしかった。しょっぱい味を噛み締めながら、自分はなんて淫らなんだろう、と思い知らされる。
そして、白哉は口から筆を抜くと、再び舌の口に宛がう。
「ふぅっ…」
「どうだ、自分の液を味あわされた感想は」
そう言った白哉、だがルキアの言葉を待ちきれぬうちに攻めを再開する。
「ひゃあっ…ぁっ…やあぁっ!」
二本目の不でも動き出した。
一本だけでも十分狭いというのに、その中に無理矢理もう一本を入れる。
ルキアは布団をつかみ、異物感と快感に顔を歪めた。
「んっ…ふぅぅっ…!」
二本の筆がルキアの中をあちらこちらと動き回る。
「感想が言えぬ程良かったと言う事か?」
到底、答える事も出来ず、ただ数本の毛が送る刺激に喘ぐのみ。
ルキアにとっては、指の方がまだましだったかも知れない。これは指とは違い、一定のリズムも何もなく、ただ快感の連続である。
「あっ…はぁっ、くっ…!!」
ルキアは唇を噛み締め、目をきつく瞑る。ルキアの頭の中はもう真っ白だった。
ふと、ルキアの中から一本が抜けた…かと思うと、下腹部に再び鮮明な感覚が呼び覚まされた。
白哉がルキアの陰核を突付いていた。
もう既にそれは赤く充血していて、可哀想という程に膨れていた。
「はぁんっ!」
それを刺激されるのだからたまらない。
ルキアは必死に耐えている。瞼からは、自然と雫が零れ落ちていた。
だが健闘虚しく、嬌声を抑える事はできない。
「くっ…!」
ルキアはびくびくと体を震わし、刺激に対する反応を大きくしてゆく。
それに気付いた白哉は再び筆を中に入れる。
そして間断なくもう一本、自分の指を挿入した。
「はあああっ!」
ルキアの中が白哉の指をきつく締め付ける。
三本の異物を自分の中に入れられ、ルキアは苦悩の表情を浮かべる。
「あぁっ…んっ…」
更にそれを掻き回して、三本とも曖昧な動きをさせる。
強すぎる刺激がルキアの一部分だけを襲い続け、ルキアにも限界が迫ってくる。
「んっ、は…ぁ…っつ!!」
ルキアの締め付けが異常な程にきつくなる…と、白哉はしっかりと布団を握っている手を剥がしにかかる。
片方の手を離したせいで、一本の筆は動く支えをなくし、ルキアのソコに刺さっている状態となった。
白哉は、ルキアの手を離すのに成功すると、そのまま下へと導いていく。
「にっ、兄様何を…いやあっ!」
くちゅっ、という音と供に4本目がルキアの下腹部に突き刺さる。それはルキアの指だった。
恥部に2本の筆を自分のモノとばかりに銜え込み、他人に掻き回され、更に自慰を強制されている姿は傍から見ればひどく官能的だった。
「無理…です、駄…目…で…ひああっ!」
だんだんと、心なしかルキアの声も大きくなってゆく。
白哉は表面では冷静な顔で、しかしやや興奮が混ざっている顔つきで見つめる。
ルキアの手足がピンと張る。そして、数刻も待たぬうちに…
「うああああぁぁっ!」
とルキアは体を大きく仰け反らす。ルキアの膣内がとてつもなく収縮した。
目と口を大きく開き、虚ろな瞳で正面を見つめる。
「…自分の指で達するとは何と卑猥な」
ルキアの手を操っていた本人が、わざとルキアを辱めるような言葉を吐く。
はあはあと息をつきながら恍惚とするルキアが、無論反応できるわけがない。
白哉は数刻待ち、ルキアが落ち着いたのを見計らうと
「ところで」
と切り出す。
「貴様は誰に貞操を奪われた?」
先程と同じ問いを出す。
「…はい?」
あくまでも隠し通そうとするルキア、しかし白哉のこことはそう優しくはなかった。
「何度も言わせるな」
もうルキアにも、それほど抵抗できる力は残っていなかった。
ルキアは諦めて、全てを吐いてしまおうと決意する。
「市丸…ギン…に…」
憎しみの情を灯して、しかしどこか怯えの色が混ざっている口調で自分を犯した者の名を挙げる。
慰めの言葉、あるいは同情の言葉が来る事に少しの期待を託して。
しかし、それに返ってきたのはルキアにとってはあまりにも残酷すぎる科白だった。
「そうか…せめて貞操ぐらいは貴様の好きにさせてやろうかと思ったが…。
最早その必要さえないようだな」
そう言うと、白哉は再び高度を持ち始めた自分のモノをルキアの陰部へと近づける。
「え…兄…様…?何…を…?」
ルキアは明らかに恐怖に怯えた顔を白哉に向け、そのまま後ずさる。
口を半開きにして、穴のあいたような目で白哉を見つめるルキア。
「あ………あ……」
「縛道の一、塞」
白哉は軽く詠唱破棄をする。ルキアの体が床に崩れ落ちた。
ルキアにとっては軽い事ではなかった。畏怖が、ルキアの頭を占領する。
白哉のモノが近づけられる。ふと気付くと、自然と自分の視界が潤んでいる事に気付く。
「お願いです兄様、やめて下さ……はああぁっ!」
ルキアの苦痛の声が響くと共に、ついにルキアの膣が貫かれる。
あれだけやったというのに、未だ内部のしめつけはきつく、ルキアは苦しげな表情を浮かべる。
「なかなか良い締め付けだな、流石はルキアだ」
わざとルキアの恥を上塗りするような事を言う。
「うっ…く…はぁっ…」
しかし、ルキアにはそのような事を聞く耳を持つ余裕はなかった。
いくら経験があるといっても、そう楽なものではない。
歯をくいしばって耐えるルキアの頬に、ニ,三粒の雫が流れる。
その雫はまるで清らかな聖水のようで、幾度汚されても何ものにも染まらない様を表していた。
「ひっ…くぅ…!」
白哉は非情にも、一気に奥まで挿れようとする。
ルキアの苦しげな表情を無視して貫こうとするが、なかなか入らない。
白哉は、指でルキアの陰核に軽く触れた。
「ひあっ!」
ルキアが喘ぎ、気が緩んだ瞬間を狙って侵入を進める白哉。
「…っくぅ」
やっと白哉の太いペニスがルキアの最深部に到達する。
かと思うと、ルキアの息が整うのも待たずに動き出す。
「はっ…ひ、おやめ…んぅっ…!」
艶かしい声混じりのルキアが静止の言葉を喚く。
しかし、そんな事などまったく気にしない様子で腰を動かす。
「んっ…はぁっ…」
白哉が一突きする度に、ルキアの口から苦悩の声が漏れる。
子宮に到るかの勢いで突き上げられ、内部を抉られている。
「ふああああぁぁっ!?」
白哉が突く位置を変える…と、ルキアが大きく反応する。
白哉が、突くペースを速くすると、それに呼応してルキアの艶かしい嬌声のあがるペースも速くなっていく。
「んっ…うっ、やめ…はんっ!」
ルキアの恥部が痙攣をし始めた。繋ぎ目からは蜜が溢れ出ている。
白哉は、ルキアの様子から限界が近い事を悟る。
それと共に、自分のモノにも限界が近づいていた。
「あ…んっ、はあっ!」
それはルキアも知っていた。あの感覚が湧きあがってくる―――!!
しかし、ルキアは反抗ができなかった。相手が白哉だからか、あるいはルキアにその気がないからか…。
どちらにせよ、ルキアにはこのままされるしかなかった。今更反抗のしようもない。
「はぁっ…ふうっ…に…いさま…っ!」
「もうそろそろだ、出すぞ」
白哉はそう言うと、ルキアの弱点に大きく打ちつける。
それが引き金となってか…
「ひゃ…あああぁぁっ!」
ルキアの頭に白い閃光が走り、背筋をピンと張って仰け反った。
膣壁がこれ以上にないというほどに収縮される。
そして、それとほぼ時を同じくして白哉もルキアへと精を送り込んだ。
「くっ…うぅぅ…!!」
自分の中に入ってくるモノの熱さにルキアは反応する。
白哉がルキアから自身を抜き取ると、コポッと愛液が垂れ流れた。
「はっ…あ…」
ルキアが息を落ち着けようとする。自分が汁でまみれている事にはまだ気が回らないようだ。が、
「ルキア、この後どうするつもりだ」
白哉に言われ、ようやく気付く。
「あっ…」
勿論このまま寝て起きるなどして、翌朝使用人に見つかったら大変な事になる。
そうすればどんな噂がたてられるか分からない、それだけは避けねばならなかった。
「…風呂に入って参ります」
「そうか…では私も入ろうか」
ルキアは疲れていたが、またやられるのかと思うと背筋を強張らせる。
しかし、ルキアが疑問の言葉を口にする前に、白哉は否定の念を押す。
「大丈夫だ、もうあのような事はせぬ」
それに安心したルキアは、渋々承知する事になる。

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―――ざぶん
湯船の水が跳ねた。ルキアは体を清め、風呂に浸かって一休みしていた。
勿論そこには白哉もいたが、先程のような行為は欠片も行われなかった。
ここまで何もされないと、今までのが何者かの仕業にさえ思われてくる。
(兄様も、イヅルも、どうしてしまったのだろうか…?)
そう考えているルキアに、後ろから声がかかる。
「入るぞ」
「あ、はいどうぞ兄様」
考え事をしていたせいで返事が遅れたが、別に何も問答はなかった。
それに、白哉はルキアに対しても今のような断りなどいれない筈だった。
しかしそれらの考え事は、次の白哉の一言によって吹き飛ばされる。
「今日は疲れただろう、しっかり休め」
(―――え?)
普段なら私を気にかけなどしない兄様が、私を気にかけてくれた―――
心なしか、ルキアには白哉の固まっていた表情が少し緩んだように見えた。
普通に考えればこの時の白哉は恐ろしく不気味な筈だが、疲れていたルキアにそんな事を気にする余裕など少しもなかった。
何よりも、兄様が私を気にしてくれた事が嬉しかった――奪取それにルキアは今までの畏怖など吹き飛び、代わりにこの上ない安心感が訪れる。
「有り難う御座います、兄様…!!」
目に涙を浮かべながらそう言う。
そして緊張の糸が切れたのか、そのまま眠りに落ちてしまった。
それを見て、白哉はいつもからは想像もできないような、口を緩ませ、ふうと溜息をつく。
「やはり…無理をしすぎたか」
白哉はルキアの近くに行き、湯船で眠りこけているルキアの頭を撫でる。
こういうのも悪くないか、と微笑を溢す。
その姿は、いつもの、ルキアに向ける顔とでさえ遠くかけ離れていた。
「…と、のぼせてしまうか。
やはり私が来るべきだったか」
そう言って、白哉はルキアを抱えて風呂場を後にした―――――



(完)



続編有り。続きを読む→