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朽木ルキア大ブレイクの予感パート12 :  107氏 投稿日:2005/12/10(土) 17:04:23


『白ルキ 分岐あり』


自室から見える手入れの行き届いた庭を、見るともなしにルキアは見ていた。
翌日には現世に赴くことが決まっており、一護や織姫らの顔を久しぶりに見れるという楽しみの反面、あの夜一や浦原でさえ手こずっているという情報のある敵との戦いに、身が引き締まるような気持ちもする。
ふと、知った霊圧が近くに来たことに気づき顔を上げる。
「兄様…」
「ルキア、何をしている」
言いながら、義兄である白哉がルキアの前に座った。
「いえ、あの…。何ということはないのですが、…」
処刑を免れ、穏やかな暮らしを取り戻した現在は、以前よりは自分に対する白哉の態度が軟化していることは気づいていた。
しかし、自分の感じること、思うことを何でも話してよいものかと、そのあたりがまだルキアには判断がつきかねた。
ふと廊下のきしむ音がし、侍従の者が室内に入ってきた。
白哉の前に湯の上がる椀を置き、続いてルキアの前にも椀を置く。
「あ、ありがとうございます…」
一礼して退がる侍従に礼を言いながら、置かれた湯飲みのほうへ目をやり、ルキアは驚いた。
「こ、これはっ…」
ルキアの前に置かれた湯飲みの横に、小さな器が置いてある。
そこには餡や黒豆などに彩られた、つややかな白玉が盛られていた。
匙の差し込まれた紙の袋に目をやると、ソウルソサエティで高名な老舗和菓子屋の名が記されている。
ルキアはもちろんのこと、甘いものに目のない恋次や他の死神たちの間でも有名だが、如何せん、高級店のものであり、そう簡単に手を出せる代物ではない。
「お前は白玉が好きだと聞いたが…」
驚き、器に眼が釘付けになっているルキアを見ながら白哉が言う。
「はい、大好きです、しかしこのような高級な…」
「有名な店のものを取り寄せてみた。食べてみるがよい」
「兄様…」
相変わらず、白哉から発せられる言葉にどのように対応してよいものか戸惑いはあったが、しかし有名な店で作られる自分の好物を目の前にして、ルキアも我慢がきかなくなった。
「それでは、いただきます」
白哉に一礼し、匙を取り出し、白玉を口に運ぶ。
「…!」


分岐点

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噂に違わない味が、ルキアの口内に広がる。
「味はどうだ」
「と、とてもおいしいです!」
「そうか」
旨さを味わい、お茶で喉を潤し白哉を見返すと、白哉はとても静かな、穏やかな目でルキアを見ていた。
「ありがとうございます兄様、このようなおいしいものをいただいて…」
「……緋真が」
「緋真、姉様が?」
「…緋真は贅沢は好まなかったが、この白玉だけは気に入ったらしく、時々取り寄せていたのでな」
「…そう、なんですか」
自分を捨てた姉。
自分を捨てたことを後悔し、夫である白哉に自分のことを託して死んだ姉。
記憶もない姉だが、好物が同じという些細なことが、ほんのりとルキアの心を暖かくした。
「…現世には、甘い菓子がたくさんあるのだろう。しかしこの菓子は、…」
言葉を切り、庭へ白哉が目を向ける。
ルキアが現世に派遣されることが決定した時、ルキアの身を案じ白哉が反対したという話を浮竹に聞かされた。
ひょっとすると、白哉は恐れているのだろうか。
自分を失うことを。
また、大切な家族を失ってしまうことを。
そんなふうに自惚れても、よいのだろうか。
「兄様」
ルキアの呼びかけに、白哉が目線を戻す。
「役目を終え、必ず、無事に帰ってきます。ですから――――」
勇気を出し、白哉の目をしっかり見つめてルキアは言った。
「帰ってきたら、またこの白玉を取り寄せていただけますか?」
フッ、と息をもらすように白哉が微笑んだ。


(完)