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朽木ルキア大ブレイクの予感パート9 :  181氏 投稿日:05/02/18 02:24:49


朽木家の屋敷はしんとして、使用人の姿すらたまにしか見ない。
ルキアが養子に入って半月、一人でとる食事にも中々慣れることはできなかった。
霊術院の寮での食事が懐かしい。特にあやつがいると騒々しいほど賑やかで――――
思い出すと自然に笑えてくる。
「やったじゃねえか、おい!」
必要以上に大きな声で、自分の事のように興奮していた幼馴染み。
「どんなメシ食うんだろうな貴族ってのは!!くそっ羨ましいぜ!!」

ルキアは茶碗を持ったまま目の前の膳を見やった。
「こんな飯だよ恋次。確かに美味しいけど……何だか、食べた気がしないよ」
つぶやいて微笑んだ姿は、広い座敷のなかにぽつんと小さかった。

第十三番隊での勤務は厳しい。
特別な措置で卒業し入隊した身には、覚えなくてはいけない事が山ほどある。
それでも、冷え冷えとした朽木家よりは、隊にいる時のほうが気が楽なのだ。
いつしかルキアには副隊長の海燕の存在が支えとなっていた。

ある日
勤務が長引いて晩く帰ったルキアは、白哉の居室に、帰宅が遅れたことの報告に向かった。
義兄(あに)は食事中だった。傍にはいつも仕えている年老いた執事が控えていた。
「構いません、どうぞお入りなさい」
と、この老執事が言うので、ルキアは近くまで膝を進めた。
朽木家といっても当主の白哉以外に家族の者はおらず、
長年朽木家に仕えているこの老人が義兄の親代わりのような立場でもあるらしかった。
「申し訳ありません。任務が片付かず遅くなりました」
頭を下げたまま、いつものように『下がれ』という言葉を待ったが、少しの間があった。
しかし、その後冷徹な当主の口から出たのは、ルキアが思っても見ない言葉だった。
「仕事はどうだ」
「は?」
反射的に顔をあげて聴き返してしまうほど意外な言葉だった。
一呼吸おいてから我に返り、あわてて答える。
「は、はい。なんとか務めております」
「勤まっているのか」
白哉はルキアの顔を見てはいず、視線は膳の上にある。
けれど、ルキアの鼓動は速くなり、気持ちは弾んだ。
義兄に問いかけられるのは、入隊の時以来だった。
「はい。上司、先輩諸兄より御指導いただいて、励んでおります」
「そうか」

簡単な一言がルキアの胸を熱くする。
それが、今一番尊敬している人の事を、最も近い身内である義兄に聴いてもらいたいという思いに繋がった。
「十三番隊副隊長の志波殿には、特に親しくしていただき、色々と為になる話を伺っています」
一息にそう話すと、義兄の形の良い唇がゆっくりとその名を繰り返した。
「志波……海燕……」
「兄様!海燕殿を御存知なのですか?」
ルキアの顔が内から光が射したように明るくなる。
「私のような席順の者にも目を掛けて下さるのです。それに海燕殿は鬼道の技にも優れ、皆の話に拠れば斬魄刀の力も……」
「ルキア様」
話を遮ったのは老いた執事だった。
「食事を済ませていただきませぬと、使用人が困りますゆえ」
「あっ、は…はい」
部屋の空気の色が一変していた。ちらりと白哉の表情を窺ったが、何の感情も見えない。
「申し訳ありません……失礼致します」
返事はなかった。
いつもの部屋でひとり冷めた夕餉を口に運びながら
自分は何か決定的な失敗をしたのだと悟って、ルキアは小さなため息をついた。
その後、白哉とルキアの間で海燕についての話が交されることはなく
義兄に仕事のことなどを訊ねられることも、もう二度と無かった。

精霊廷の上空を厚い雲が覆い尽くしている。
白哉が屋敷の玄関に到着すると、いつになく緊張した様子の執事が出迎えた。
「屋敷の近くに倒れていたのを見つけて、家の者でお運びしたのです」
無視するかのように白哉は奥に向かう。
「ずぶ濡れで身体は冷え切っておりました」
小走りに追いかけるようにして老人は若い当主に話し掛けた。
「依然、目をお覚ましになりませぬ」
「もう良い、下がれ」
ルキアの居室の前で立ち止まった白哉がそう告げると、老執事は黙って頭を下げ戻って行った。
薄暗い部屋の真ん中に敷かれたふとんに小さな身体を横たえ、ルキアの顔には血の色が無かった。
その白い頬に乱れかかる髪を、白哉は手を伸ばして直した。
触れた頬は、白哉の指にひやりとした感触を残し、それがいつまでも消えない。
庭に面して部屋の外側を周っている廊下に、人の気配がした。
「白哉様、十三番隊隊長殿がお見えになっています」
「…………」
「白哉様?」
閉められた障子の外から使用人が訊ねる。
「今行く」
答えるとルキアを見下ろしていた身体を起こし、白哉は部屋を後にした。


応接間に通された浮竹十四朗は、憔悴しきった様子で長椅子に腰を下ろしていたが、白哉の姿を見ると弾かれたように立ち上がった。
「朽木は!…いやおまえの妹は無事なのか? 倒れていたのを運ばれたと聞いたが」
「無事だ」
一言答えると白哉は浮竹を真正面から見た。
「何があったか聞こう」
浮竹は苦しげに声を絞り出した。
「すべて……俺の…責任だ……」

浮竹の語る一部始終を白哉は眉一つ動かさず聞きおわり、ただ一点だけを確認した。
「志波海燕はルキアに止めを射され、確かに絶命したのだな」
「そうだ…海燕は、死んだ……」
浮竹の苦悩も深かった。
「おまえの妹が心配だ……酷く傷ついていると思う。何とかしてやりたい……
会わせてくれないか、白哉」
「あれはまだ眠っている」
「眠っていても構わん、ひと目様子が見たい。会わせてくれ」
くいさがった言葉は屋敷の奥から聞こえてきた悲鳴にかき消された。
「朽木…っ」
思わず声のした方向へ駆けつけようとする浮竹の前に白哉が立ちふさがる。
「白哉!」
「あれは私の身内の者。こちらにまかせてもらおう」
眼光の鋭さに浮竹は一瞬ひるんだ。
「しかし」
「兄には総隊長より呼び出しが掛かっているはず、それに、人のことより自身の身体を気遣うのが先決だろう」
それだけ言うと、背を向けて出て行く白哉を、浮竹はただ見送るしかなかった。

ルキアの部屋に戻ると、年配の女の使用人と老執事がルキアの側にいた。
叫んだのは目覚めた時のあの一声だけで、ルキアはふとんの上で上半身を起こし固まったように動かない。
顔には表情が無く、口は結ばれ、双眸は空ろな洞のように何も映していなかった。
「呼びかけても返事をされないのです」と、長年朽木家に仕えている年配の女は白哉に言う。
蒼ざめた、生きている色のない、それでいて凄絶な美しささえ感じさせるルキアの姿。
「死者に心を持ってゆかれたか、……愚かな」
白哉の声は氷のように冷たかった。

目覚めていながらルキアは悪夢を見る。くりかえしくりかえし、何度も何度も。
海燕は虚と戦い、虚に取り付かれ、そしてルキアの腕の中で死ぬ。
障子のすべて開かれた座敷の中で、明るい日の射す庭に向かって座りながら、
何も見ず、何も聞いておらず、ルキアは闇だけを見つめていた。
仕えている女がルキアの髪をすいたり、着替えをさせたり、風呂に入れたりしても、人形のようにされるままになっている。
ただ食事だけは、どうあっても口にしようとはしなかった。

「もう三日、何も召し上がられておられぬようですな、ルキア様は」
夜も更けた時刻、白哉の部屋で老執事は主に話し掛ける。
「お休みにもなっておられぬ様子、夜中も暗い中で天井を見つめておられるとか。このままでは…」
人にはわからない顔色の変化を読み取ったのか、執事は言葉を飲み込んだ。
「ほ……余計なことを申しまして…ではこれで」
彼が辞した後、白哉は立ち上って一人ルキアの部屋へ向かい、
仰臥した姿で虚空を見つめているルキアをしばらく見下ろしていた。
「死にたいのなら、死ぬが良い」
続けた言葉は囁くよう。
「だが、奴のあとを追わせはせぬ」
ルキアの顔の上に手を翳す。ルキアは何の反応も返さない。そのまま眼球にそっと触れてみる。
そこまでしても、瞬きもしなかった。
白哉は掛け布団を取ると、横たわるルキアの背と膝の裏に手を入れ抱き上げた。
部屋を出て、月明かりの庭に面した長い廊下を歩き、離れに入っていく。
離れには先々代の当主が造った広い書斎があり、室内の一角には寝台も置いてあった。
寝台の四隅には支柱が立ち、紗の織物が幾重にもかけられている。
軽々と運んできたルキアの身体を寝台に置こうとして、白哉は少し思案した。
やめて、ルキアを抱いたまま、隣の部屋への戸を開ける。
そこは浴室になっていて、タイルの床に置かれた浴槽の中には水が湛えられていた。

白い寝巻き姿のルキアを無造作にうつ伏せにして、頭を水の中に沈める。
最初は静かだった。やがてぽこりと気泡が浮かび、びくんとルキアの肩に力が入る。
白哉は頭を押さえつけている手を緩めなかった。
ごぼごぼっと大きな泡がルキアの口から吐き出され、水から逃れようと頭を振る。
手で白哉の腕を引っ掻き、肩にも首にも最大限の力が入れられ、大きな水飛沫が二人を濡らす。
そこまで待ってようやく白哉はルキアを離した。
激しく咳き込み、咽ながら、ルキアはタイルの床に飲み込んだ水を吐き出し、ぐったりと倒れ込んだ。
身体全体ではぁはぁと大きく呼吸を繰り返し、だんだんその息が治まり静かになると、白哉は小さな顎をつかんで顔を上に向けさせた。
空ろな目が宙をさ迷っている。意志の無い身体は白哉の手に何の抵抗もみせなかった。
「無駄か」
呟くと、白哉はまたルキアを抱え上げ書斎に戻った。
力の抜けた身体を寝台に下ろすと、今度は躊躇なく濡れた衣を脱がせ、されるままに横たわるルキアの白い裸身に目をやった。
今のルキアにとっては、一糸も纏わぬ身体を義兄の目に曝していることさえも、閉じた心の外側にある意味を持たない事象のひとつであるらしかった。
白哉は包むようにルキアの左頬に右てのひらを当てた。
「どこまで堕ちている」と問う。もとよりルキアの耳に届いていないのは判っている。
手を首の前に移動させる。白哉の片手にその首はあまりに細く、少し力を入れれば簡単に折れてしまいそうに思えた。
てのひらは胸のふくらみをかすめ、脇腹をたどり、下に降りていく。
足までくると内股に手をかけて開かせた。そして、指の腹を上にして中指をルキアのなかに深深と差し込んだ。

初めてルキアは、激しく反応した。
「あ!」と声をあげ、身体を強張らせ、目を見開く。
それでもまだ何が起こっているのか、わかってはおらず、ただ、痛みから逃れようと、闇雲に暴れた。
ここで止めれば、また先ほどと同じことの繰り返しになる。
白哉は右手で捉まえたルキアの両手を、頭の上に押さえつけ、圧し掛かって身体の動きも封じた。
そうしておいて、差し込んだ指をくいっと曲げた。
びくんとルキアの全身が跳ねる。小さく悲鳴がもれる。
身体を震わせて、身悶えて、必死で逃れようとしている。
ルキアの狭い膣のなかは白哉の中指をすき間なくぴったりと包み込み、きゅうきゅうと絞めつけて、
白哉が指をうごめかすと、ありえないような動きをみせた。
残酷にも白哉が長い指を出し入れしはじめると、それに合わせてルキアの桃色の乳首はたちあがり
ぴくんぴくんと身体を波打たせながら、白い喉からとぎれとぎれの声を発する。
「あ…あ、……ぁあ…」
ぎゅっと瞼が閉じられ再び開けられた時、その深紫の双眸には光がもどり、驚愕に見開かれて自分を組み敷いている男を知った。
「……兄様…!」
肌が晒されている。兄にすべて見られている。そして脚を開かされ、恥ずかしいところに何かが…
「に、兄様…っ、あっ……何を」
ありえない羞恥に血が逆流し、赤く染まった顔を左右にふる。
恥ずかしい格好で寝台に縫い付けられたまま、義兄の指に犯されつづけて、ルキアは泣き声をあげた。
「いやぁぁ、兄様、なぜっ……あっ…あうっ」
閉じようとしても両脚は義兄の身体を挟みつけるばかりで、閉じることが出来ず
その中心に衝きたてられた指は容赦もなく深部を抉った。
「や…、やめて……、あ……、お願いです…に…いさま…おねが……」
震えながら潤んだ大きな眼で懇願するルキアに、挿し込まれる指がいきなり2本に増やされ
同時に親指が敏感な肉芽をぐいっと剥きあげた。
「あぁぁぁぁっ!!」
出した悲鳴はほとんど声にならず、衝撃にルキアの白い裸体が細い月のように寝台の上で仰け反る。
2本の指に、まだ誰にもふれられた事のない深いところを掻き回され、閉じた睫毛の先から涙の粒が頬に落ちた。
何故なのですか、兄様…。何故こんな、恥ずかしい姿にされてしまうのです…
私がいったいなにを……
「いや…、ぁあっ…、いやです……どうか、…ぁ…もう」

その願いが聞き届けられたかのように、すっと指が引き抜かれ、同時に拘束されていた両手も解放された。
ルキアはあわてて腕を胸の前で交差させ、身体を丸めて義兄の目から隠そうとする。
見下ろす白哉の顔はいつも通りの静かさで、それがかえってルキアを怯えさせた。
「知らぬのか、男と女のことを」
何のことです?と聞き返す余裕は与えられなかった。白哉は両手でルキアの手首を掴み、左右に押し広げてしまったからだ。
「あっ、…や…」
あわいふくらみが視線に赤く染まり、ちいさく立ちあがった先端がふるふると震える。
ルキアは口をきゅっと結び、上気した顔を義兄から背けた。
いきなり柔らかくあたたかい感触を幼い乳房の先端に感じ、身体が雷に打たれたように硬直した。
思ったこともない行為に衝撃を受け、言葉がでない。
覆い被さる義兄の身体を押しのけようとしても、両手は顔の横で抑えつけられピクリとも動かせない。
次には濡れたぬるりとした感触が米粒ほどのちいさな乳首をかすめた。
「ふ……」
未知の感覚がルキアの身体を襲っていた。
甘い痺れが胸の先端から広がり、下腹部の奥深くで凝固して留まる。
やわらかな乳房を白哉は大きく食み、軽く歯を立て、舌を乳首に絡ませて吸った。
「ぅっ…ぁ…ぅ…」
声も出せず、息を求めて喘ぐように呼吸をくり返す。身体の中心の疼きに我慢できずにつま先は寝台の上を滑った。

義兄が手を離し身体を起こしても、ルキアはうまく動けなかった。手にも脚にも力が入らない。
ただ潤んだ大きな眼に怖れを滲ませて、白哉を見上げるばかりだ。
膝に手が掛けられた。がくがくと震える白い脚をほとんどM字になるまで開脚させる。
初々しい秘部が綻びて、なかから鮮やかな花びらが顔をのぞかせた。ひとしずく露が零れ落ちる。充分だった。
「や……、ぃやぁ…!」
恥ずかしさと恐怖で、ある限りの力を振り絞るが、白哉にとっては無きに等しい抵抗。
柔らかい裂け目のの中心に、固く張り詰めた先端を押し当てると、じっくりと己の身を埋め込んでいく。
「ひ…! くぅ……」
ルキアの喉から声にもならぬ声が搾りだされ、見開かれた目は助けを求めるかのように虚空をさ迷った。
きつく絞めつけてくる入り口をくぐり抜けても、すぐその先に狭い場所があり侵入を拒んでいた。
息を詰めると白哉は力をいれて腰を進め、そこを押し破る。
瞬間、ルキアの小さな身体が激しく跳ね、悲鳴をあげ仰け反るようにして上へ上へと逃げようとする。
抑えつけ、全長をルキアのなかに収めた。
「あ……あ……」
ルキアにはわからなかった。義兄のする行為が信じられなかった。
驚きと恥ずかしさと痛みがあわさり、衝撃となって身体を震わせていた。
身体の中を貫かれている。焼けつくような痛みと押し広げられる圧迫感があった。
義兄が自分の上でゆっくりと律動を刻み始めるのを、ルキアはただひたすら耐えて受け入れた。
すがるものが無く、寝台に敷かれた布をぎゅっと握りしめ、しだいに激しさを増す動きに耐えた。
顔も身体も火のように熱く、泣くつもりもないのに涙の粒が頬を転がりおちる。
腰を打ちつける音が響く。義兄の動きに押されるように小さく呻き声が漏れる。
濡れた粘液の音をたてながら、荒々しく抽送をくり返す何かに、未知の感覚を呼び覚まされていた。
それ以上耐えることができず、ルキアは気を失った。



穏やかに目が覚めた。明るい部屋の中だった。
真綿の感触の布団にくるまれている。
どこだろう……ここは…?
少し身じろぎすると身体の節々が軋み、さらに自分が何も身に付けていないことを知る。
一度に昨夜の悪夢がよみがえり、肌がさっと粟立った。
二の腕をきつく掴みながら、部屋の中を見渡し、誰もいないことを確かめて寝台から下りる。
床に落ちていた寝巻きを拾って、身体にまとう。
天井の高い部屋。四方は書架になっていて、見あげるほど高い所に天窓がある。光はそこから落ちていた。
重厚な木の扉には鍵が掛かっているようで開けられず。もう一つの扉の中は浴室だった。
離れの書斎であろうと見当はついたが、逃げる方法は見つからなかった。
分厚い絨毯の上にぺたりと座り込み、ルキアは天窓を見あげた。
「鳥ならば……」
飛んで逃げられるのに―――――

天窓から見える空が暗くなっていき、また夜になる。
カチリと鍵の外される音がして扉が開かれた。
暗い部屋のさらに暗がりから小さな影が飛び出し、入ってきた白哉の隙を付いて外に逃れようとしたが果たせるはずもなく
子猫のように後ろ襟をつかまれて引き戻され、床の上に放り投げられた。
部屋の明りをつけると、倒れた場所に手を着いてキッと見あげてくる大きな瞳を白哉は見返した。
「食事だ」
片手で運んできた盆を長椅子の前の卓に置き、そちらを見ようともしないルキアに
「取らないのは勝手だが、それで私に抗えるのなら、見ものだな」
そう告げた。深紫の瞳の奥に怯えの色が走る。
白哉から目を逸らさないままそろそろと盆に近づくのを見て、白哉は後ろにさがり、書架から本を一冊抜き取って机の前に座った。
白哉の様子にすこし安心したのか、粥を口にし始めたルキアをそのままにして、本を読んでいた。
やがて食べ終わったルキアは、ちらちらと白哉をうかがっている。
ぱたんと本を閉じ立ち上がると、椅子から跳びあがるようにして立ち、後ずさった。
「ここから出してください!」
ルキアは叫ぶように言う。
「私が何をしたというのです。こ、このような仕打ちを受ける、何を」
「言う事はそれだけか」
白哉は静かに答える。
「私を止めたいのなら力を付けるのだな、ルキア。それ以外に方法はない」

白哉が一歩まえに出ると、ルキアは怯えて一歩退いた。小さく左右に首を振っている。
「あ、あんまりです、兄様…。どうか思い直してください」
「力を持たぬ言葉に何の意味がある?」
白哉がまた一歩まえに出ると、ルキアは部屋の隅まで走り、そこに置いてあった物を手に白哉を振り返った。
白々とした光を放つ抜き身の刀だった。
あれは確か……。白哉は壁に目をやる。掛けてあった飾り刀が消えていた。
死覇装を着替えていた白哉は腰に何も差してはいない。しかし構わずルキアに近づいた。
「近寄らないでください!」
隅に追い詰められ、ルキアは研ぎ澄まされた刃を自分の首に押し当てた。
「触れれば死にます…!」
「だからそれに…」
白哉は手を伸ばして抜き身の刃先を掴む。
「何の意味があるのかと訊いている」
ぶるぶると震えるルキアの手から刀を取ると、落ちていた鞘にそれを収めた。
「死ぬと騒いで死んだ輩など、見たことがない」
命がけの抵抗をさえ簡単にいなされて、放心したような表情のルキアを見下ろす。
小さな唇が、かすかに震えている。
薄い布一つを身にまとって、小さな素足もまた震えていた。
昨夜自分がおもうままに蹂躙した細くやわらかな身体。
その意味も知らぬルキアの純潔を奪い、奥深く抉って凌辱の限りを尽くしたのだ。
理由はどうであれ、一度触れてしまえば抑えられなくなるのは、解かっていたはずだ。
私が何をしたのです、だと?
おまえがそこにいることが、だ。それがすべてだ。
身体じゅうの骨が、血の最後の一滴までが、ルキアを求めていた。
白い首筋に短い刀傷がついて、淡く血が滲み出ていく。
傷に指で触れると、ルキアはぴくっと身体を硬くする。
白哉は低く囁くように言った。
「昨日ほど痛くはないはずだ。耐えられよう」

次の瞬間、全身をバネにしてルキアは白哉から逃げた。が、白哉の方が速い。
目の前がぐるっと反転したかと思うと、寝台の上に投げ出されていた。
裾がみだれて、なめらかな太ももが付け根まで剥きだしになる。
胸元にかけられた義兄の手を、ルキアは両手で停めようとするが叶わず、形の良いふくらみと桃色の先端がのぞく。
「いやっ!!」
抵抗する手を弾かれる。
牽星箝をはずしている髪が乱れて、義兄の顔の半分を隠している。
まるで別人のようにルキアには思えた。
「何故! 何故です、こんな!」
襟元が大きくはだけられて、肩も露わになり、胸はふたつとも晒されてしまう。
「こんな辱めを……兄様……」
義兄の唇が喉元から鎖骨へすべりおりていく。


きつく合わされた脚の間に、膝を割りいれて開かせると、ルキアは息をのんで身体を強張らせる。
膝を抱えあげるとむなしくその手を引っ掻いている。
潤みの足りない柔ひだの間を、楔を打ち込むようにして貫いた。
「うっ…う……」
目をきつく瞑って必死に耐えているルキアの、まだあどけなささえ残る顔立ち。
その顔に、ぞくりと波立つものがある。
一方で氷のような自制心が白哉を止めようとしていた。引き裂かれるような苦痛だった。

ルキアの狭い膣が千切れるほどに白哉を絞めつけている。
押し込まれた異物にそこも激しく抵抗を示しているのだ。
背徳的な快楽の熱になにもかもが融けていく。
思い切り深く突いてルキアを呻かせる。引き抜くときの絡みつく感触にしびれる。
角度を変えて、何度も突き続けると、ある場所でルキアが仰け反って声を震わせた。
くんとしなう身体、必死で身をよじって逃げようとする腰。えぐるように動かすと、どっと泉が湧きだしてきた。
暖かい水が白哉を包み、さらにあふれて周りを濡らす。
なめらかに受け入れはじめたルキアの中で白哉は速力をあげる。
「あ…、あ…、アァ…… にいさま…!…にいさま!」
先端に血が凝縮し、弾けてしまいそうな圧迫感を感じる。
ルキアを激しく揺さぶりながら、快感にかすむ頭の隅で自分の声が聞こえた。

―――とうに狂っているのだ

一番深くまで差しこむと身体を震わせて何度も放出した。
やむことが無いかと思うくらい、それは長く続いた。

聞こえる荒い息の音は自分のものだと気がつく。
重なったままルキアを押しつぶしている事にも。
引き剥がすようにして身を起こすと、寝台から離れた。
ルキアは身動きもせずに横たわったまま。かろうじてまとわりついている衣類は身体を隠していない。
そんな姿で見あげてくるルキアと目があった。
怯えはない。ただ、何故? と、悲しみをたたえた目で問いかけてくる。
目を逸らし背中をむけて自分の着衣の乱れを直しながら白哉は言う。
「きのうよりはましだったな。よく濡れていた」
キシッと軋む音に振り返ると、ルキアが寝台に手をついて半身を起こしていた。
戦闘態勢に入った猫のようだった。瞳がラピスラズリの光を放っている。
屈することの無いきらめきを見て、白哉は満足した。

翌朝から白哉は、朝と夜と日に二回、ルキアに食事を運んできた。
朝は死覇装を着ており、すぐ出て行く。夜はルキアの食事が終わるまで書斎で本を読んでおり
食事が済むと盆を持ち黙って出て行ってしまう。
あの義兄が、使用人のするようなことを自らしていることが不思議だった。
それに指一本触れようとしてこない。
それでもルキアは、義兄が部屋の中にいるときはもちろんのこと、一日中緊張していた。
そんな日が数日続いたある日の朝。
書斎の扉が外側から叩かれたので、ルキアはいぶかしんだ。義兄なら叩くことはない。
扉が静かに開かれ、入って来たのは執事だった。
「ルキア様、こちらにお召し替えを」そういって差し出されたのは死覇装。
「自室にお戻りください。朝食はいつもの部屋に用意してございます。それと本日より隊の勤務にも戻られるようにとのこと」
「隊に?!」
海燕の面影がさぁっと頭をよぎり、胸がぎりりと痛んだ。
朽木家から、白哉のもとから逃げることばかり考えていたことに茫然とする。
隊に出なければ、十三番隊に……、海燕殿がいなくなって、皆はどうしているのだろう。
浮竹隊長にもお会いして、私に償えることがあれば……、いや、償うことができるだろうか
あの方はもういないのに。
「……よろしいですかな、ルキア様。まだ体調がお悪い?」
「いえ、大丈夫です。……隊に出ます」
「ほ、それはなにより。では、お急ぎください」
白哉と顔を合わせることもなく朽木家を出る。久しぶりの外の陽射しは眩しすぎて、ルキアをふらつかせた。

第十三番隊の隊舎につくと、ルキアに気がついた数人の隊員たちが目配せして囁きあう。
挨拶しようとしても視線を反らされ、離れていく様子に、おもわず立ちすくんでいると
「朽木さん!」と、元気のよい声が響き、奥から虎徹清音がとび出してきた。
「待ってたんだよ、もう大丈夫なの?」
心配そうにのぞきこんでくる清音の顔に救われる思いがした。
清音にとっても海燕を失ったことはどんなに辛い事だろう。それなのに気丈にふるまい自分を気づかってくれる。
「ありがとう…」
「うん…」
清音は微笑んだ。
「浮竹隊長も、朽木さんを待っているよ。行こう」
連れ立って隊首室・雨乾堂に向かう間も、すれ違う隊員たちは肘をつつきあってルキアを見ていた。
隊首室の前までくると清音は声を張り上げる。
「隊長! 朽木さんを連れてきました。入室してもよろしいでしょうか」
「おお、入れ!」
浮竹は布団のうえに身体を起こし笑顔でルキアを迎える。しかし青ざめた顔色が浮竹の病状の重さを語っていた。
「やっと来たか、心配したぞ」
「隊長、私は……」
「朽木、辛かったな、すまない……」
ルキアは何もいえなくなり、ただ首を振った。
「おまえが元気な姿を見せてくれれば、海燕も安心する。きっとな」
「は…はい」
浮竹の身体を気づかって、ふたりは早々に隊首室を辞した。
「頑張ろうよ朽木さん」
清音は、やせて前より大人っぽく変わったルキアの横顔を見た。
そして驚く。悲しみが影のようにまといついているのに、どうしてこんなにこの人は、美しく見えるのだろう。

隊からの帰り道、ルキアの足は重かった。
十三番隊への勤務を続けるためには家が必要であり、そして今のルキアには、家というのは朽木家以外に無かったのだ。
朽木家の玄関につくと老執事が出迎えた。特に報告することがなければ白哉と会うこともない。
そしてまた以前と同じ日常が、何事もなかったかのように始まった。

十三番隊の中は混乱を極めていた。
浮竹は臥せったままほとんど自室から出られないありさまで、指揮系統が乱れ
それに乗じて三席の男が隊長に対する反発を公にした為に、隊はこの男につく者と浮竹を慕う者との間で真っ二つに別れていた。
しかしどちらにつく者もルキアに対する反応は同じだった。
遠巻きにする。ルキアが部屋に入っていくと話をやめる。無視をする。
飛び交っている噂は酷いものだった。
ルキアをかばって海燕は死んだ、などと言うのはまだいいほうで
どこをどうしたらそういう話になるのか、ルキアと海燕の妻が海燕をめぐって殺し合いをしたなどという物まであったのだ。
ルキアに任務は与えられず、ひとり隊舎の中で待機するだけの日が繰り返される。
清音と小椿仙太郎は何かにつけ声を掛けてくれるのだが、分裂した隊を元にもどそうと奔走しており、仕事に忙殺されていた。
ルキアにとっても十三番隊にとっても、海燕の存在がどれほど大きかったのか思い知らされる日々だった。
孤独なルキアの姿を見かねたのか病床にある浮竹から呼び出しが掛かった。
「朽木、六番隊に出向いてくれ」
「は、出向くと申しますと?」
「十三番隊から派遣されて、六番隊の仕事を手伝うと言う事だ。白哉が付き人を必要としている」
義兄の名前を聞いてルキアは青ざめた。
「いえ、私は今のままで…」
「実は俺から白哉に頼んだんだ。俺が不甲斐ないために隊の中はこの有様だ。無責任な中傷から守ってやれないんじゃ海燕の奴に怒られる。身内の側なら安心だからな」
――――隊長は知るはずもないのだ。義兄と私の間に起こった事など
ルキアは顔を伏せた。
「ずっとという訳じゃない、隊が落ち着くまで、週に二三日のことだ。まぁ俺が安心したいのさ」
行ってくれるな? と優しげな目で言われて、断わることなどルキアには出来なかった。

副官は特別な任務にでもついているのだろうか、六番隊の事情はルキアには分からない。
その場に副隊長の姿は無く、六番隊の隊長執務室には白哉とルキアの二人きりだった。
「よろしくお願いいたします」
と頭をさげると、白哉は冷たくルキアを見おろした。
目を逸らさず必死で見返したが、背中が冷たい汗で濡れるのが分かる。
白哉が立ち上がると、その場から逃げ出したい気持ちを抑えるのがやっとで、足が震えた。
「出かける」
「…はい」
仕事なのだ。白哉の後ろに付き従って長い廊下を歩き、目的の場所へ向かう。
ちりちりと緊張で全身の肌を微量の電流が流れるような心地がする。
ただひとつ言えることは、白哉と一緒にいるルキアに後ろ指を差すような命知らずは、精霊廷じゅう探しても一人も居ないだろうという事だけだ。

ルキアが初めてその男に会ったのは、白哉と共に一番隊に向かっていた時だった。
ひょろりとした背のその男は、ひとりで軽々と渡り廊下を渡っていた。と思うと、もう側に来ている。
「ご一緒せえへん? 六番隊長さん」
白哉が足を止め、ルキアもその男を見あげる。銀色の髪がさらさらと揺れている。
「総隊長さんとこ行くんやろ。ボクもや。また呼び出しくろうてしもてなぁ」
「こちらは呼び出しを受けたわけではない。兄と一緒にするな」
「そら、きっついわぁ」
その男はへらっと笑うと、はじめてルキアに気が付いたように顔を向けた。
「こちらが養子に迎えたいう妹さんやね。はじめまして、よろしゅう、市丸ギンや」
「朽木…ルキアです」
「ルキアちゃんゆうんか。キミにぴったりの綺麗な名前やね」
三番隊隊長の名は知っていた。隊長格とも思えない軽い調子のこの男が?と、意外だった。
ふいに日が翳るように寒気がした。何故?
白哉が歩き出す。ルキアはあわてて後を追った。市丸ものんびり後を付いて来た。
一番隊の隊舎に着くと、白哉が先に奥に通され、市丸は待たされることになった。
白哉に付いて部屋を出て行こうとするルキアの背中に市丸は声を掛ける。
「キミはずいぶん汗っかきなんやなぁ」
ぎょっとして振り返ると、薄く笑った男は言った。
「ほな、またな、ルキアちゃん」

その日が最初で、それから何度もルキアは市丸ギンと遭遇した。
白哉に従って精霊廷の中を移動している時、他の隊長格と遭うのと比べて何倍も高い確率で出会うのだ。
市丸は白哉にどうでもいいような世間話をし、そして別れ際に必ずルキアの後ろ姿に声を掛ける。
「またな、ルキアちゃん」

「朽木さん! すこし羽根のばしに行こう!」
めずらしく清音が誘いにくる。十三番隊の隊舎で待機していた時だ。
今日は六番隊の任務はなく、相変わらずルキアは一人だった。
「どこへ?」
「ほら良く行ったとこ」
精霊廷のはずれにかなり広大な緑地があった。森、小川、草地。小鳥のさえずりが聞こえる。
この辺りには海燕と共に、皆でよく休憩を取りに来たものだった。
「うーーん、あー、気持ちいい」
清音は伸びをして、ついでに大きな欠伸もする。ルキアに笑いかけると、冷たい飲み物を渡してくれた。
「誰もいなくて気持ちいいーーっ、私たちだけの貸切だね」
ルキアも微笑んで空を見上げる。久しぶりに気持ちが晴れていくようだ。
のんびりと話をしていると、誰かが清音を呼ぶ声がした。
「なーにー、私はここよー」
立ち上がって清音が叫ぶと仙太郎が駈け寄ってきた。
「休んでるところ悪りぃ、朽木。清音、また喧嘩だよ。隊長の悪口を言った言わないで、あっという間に小競り合いだ、くだらねえ」
「またぁ? ばっかじゃないの」
「女も交じってるんで来てくれよ。俺じゃどうにも」
「わかった」
清音と一緒にルキアも立ちあがると、清音は笑ってルキアを止めた。
「大した事ないよ、心配いらない。朽木さんはここでゆっくりしてて」
そうして二人は走っていってしまった。
取り残されてぼんやりとまた空を見上げる。すいっと目の端を横切った小さな影。
燕だろうか……。自由に生きた海燕の思い出がよみがえって来る。

陽射しを身体に受けてくつろいでいると、ふっと日が翳った気がした。
雲ひとつ無い青空なのに変だ。背中が寒い。
ぎくりと身体を強張らせた。だれかが見てる。後ろに……いる。
恐る恐る振り返ると、少し離れた草の中に、作られたような笑みを顔に張りつかせたあの男が立っていた。
「ひとり? ルキアちゃん」
「……………」
市丸はゆっくりと近づいてくる。
「何しとんの」
逃げなくては……この男は……キケン……
「小鳥、見とったん?」
呑まれたように足が動かない。
「お口が利けないんやねえ。どないしてん、ルキアちゃん」
「い、急ぎますので…」
かろうじて動いた身体を折り曲げて礼をしつつ、ルキアは市丸の横をすり抜けようとした。
すっと伸ばされた市丸の左手の中指が、ルキアの耳の後ろを軽く突く。
あ、と思うと同時に目の前が暗転し、ルキアは一瞬にして意識を失った。
力の抜けた身体を抱きとめて市丸はささやく。
「あかんよ嘘は、小鳥見とったやろ」
細長い指でルキアの頬を撫で、唇に触れる。市丸は喉の奥で小さな笑い声をあげた。
「キミが小鳥のようやのに……なァ」



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