朽木ルキア大ブレイクの予感パート7 :  202氏 投稿日:04/06/06 19:39


『そんなある日・触手虚編』


夏休みが終わるころ
夕日が紅く浦原商店の看板を染めていた。

一護、織姫、茶渡、石田、夜一、そしてルキア
尸魂界から戻ってきた六人を迎えたのは、
浦原商店の面々とコンだった。
「姐さ〜〜ん!!待ってたんスよ!オレ、待ってたんスよ〜〜!」
涙と鼻水でやたらテンションの高いコンも、なんだか懐かしく感じられる。
長い長い旅を終えてきた。永遠に続くかとも思われたこの夏
仲間との絆も深まった気がする。
休み明けの学校で会おうと、茶渡、石田、織姫は帰っていった。
浦原が意外なことを言い出す。
浦原商店の面々そして夜一は、しばらくこの場所から姿を消す。
「だから朽木さん、この家自由に使っていいっスヨ」
不安そうな顔をしながらも、ルキアはそれ以上何も聞かず。
「そうか、では留守番代わりに住まわせてもらう。すまぬな」
ルキアには前と同じくこの地区の担当として、虚を魂葬する仕事が与えられていた。
極囚としての日々を過ごしてきたルキアを、1人にするのにためらいを感じながらも、
一護も家族の待つ我が家へ帰っていった。



    そんなある日



正確にはルキアは1人ではない。コンもルキアと一緒にいる。
ぬいぐるみのくせに偉そうな顔で、
「一護、姐さんのことはオレに任せとけ」
といった奴は、どうも気に食わないが、 ルキアを1人にして置くよりはましだろう。
一護は自分の部屋で寝転がって、天井を見上げている。
久しぶりの自分の部屋が、やけに静かで広く感じる。
けれど一方で、ほっとしている自分もいた。

ルキアの側にいることが気詰まりになっている。
なぜそうなったか理由ははっきりしていた。
それも自分の所為だと解かっていた。

あの日
置手紙を置いて出て行ったルキアを、追いかけていって
安ホテルに泊まる事になり
そんなつもりはまるで無かったのに、
とゆうかルキアを女だと意識したことさえ無かったのに
気がついたらあんな事になっていた。

愛だの恋だのでない事は、はっきりしていた。
「なんつーか、勢い…だよな…はずみっつーか…」
一護はため息をつく
ルキアが一瞬みせた綻びのような弱さに、ふっと手が動いた。
何を考えていたかは覚えていない。ルキアに腹をたてていたような気もする。
どっちにしろ、自分でも信じられない事に、衝動的に動いていて
その後はルキアの唇や胸の感触に目が眩んだ。
一護は自分の手を見る。

あいつ、あちこち柔かかった。
何をしたかは覚えている。その時、ルキアがどう反応し
どんな声をあげ、どんなふうに震えたかも、全部覚えている。
あいつを裸にして挿れちまうまで、すっげえ速かったような…
初めてだって言っていたのに、俺は何も考えてやらずに
それどころか、あいつの両足を抱えて…思いっきり動いたよな

「くっそーーっ!」

思わず声が出た。
なんであんな事しちまったんだ、俺。
戻せるもんなら、時を戻したい。
一度変わってしまった関係を元に戻すのは、不可能と言ってもよかった。
知ってしまったことを、知らない事にはできなかった。



二学期が始まった。
高校に通いたいというのは、ルキアの望みだ。
朝の教室。
「よっ」と目で挨拶してくるたつきに手を挙げ、
「一護ォォォォォ」と抱きついて来ようとする浅野をかわしつつに入っていくと
ルキアの後ろ姿があった。夏井…だったけかな…が話しかけている。
一学期と変わらない光景だ。浦原がうまくやってくれたらしい。
あのドン・観音寺のTV放映事件から、学校でルキアとは距離を置いていた。
休み時間も、ルキアは女達と一緒にいる。
笑ったりして結構楽しそうにしているので、まあ、やっぱり、なんとなく ほっとする。


ルキアとは会話らしい会話もしないまま、週末になった。
魂を魂葬する仕事は、ルキアが1人でやっている。
虚が出たときは連絡しろと言ってあったが、今のところ出現はなく、静かなもんだ。
暇だったし、少し気にもなっていたので、夕方ごろ浦原商店へ行ってみた。
店の戸をガラガラッと開けながら、「おーい、いるかー?」と声をかけ そのまま奥へ上がって行く。
居間の卓袱台の上に夕飯の仕度がしてあって、ルキアとコンがその前に座ってた。
「どうしたのだ? 突然」
茶碗を持ったまま、ルキアが目をまるくして訊ねる。
「なんだ一護、オレと姐さんの水入らずの夕飯時に、無粋だぞ」
とコンは偉そうに踏ん反り返っている。
「…? コン、なんでおまえの前にも飯があるんだ。食えんのか?」
「うるせー、うるせー、気分だ気分。オレと姐さんの愛の生活を邪魔するな!」
「ああ? 激しく勘違いをしているようだな…」
「今日なんか、オレと姐さんは一緒に夕食の買い物に出かけたんだぞ、フフン」
なんで、得意そうなんだコイツは……?
「一緒といっても、背負ったリュックに入って居ただけだがな」
「あーーーっ姐さん、酷いっスよ、そんな言い方!!」
「ちょっと飲ませろこれ」
コンの前の味噌汁に手を伸ばし、ズズッと吸い込むと、コンの声がMAXになる。
「ああーーーっっ!!オレの味噌汁! いぃちぃぐぉぉてぇめぇえぇぇぇ」
ばたばた暴れるコンを片手で押さえつけといて、ルキアに
「へえ、美味いよ、だしがきいてる」
と言うと、「そうか!?」と一瞬すごく嬉しそうな顔をしたので、ぎくっとした。
だが、すぐにもとの調子にもどって、
「ふ、当然だ。私に出来ぬことなど無い」と威張っている。
まあ、大丈夫そうだな。
コンがあまり怒るのと、門限の7時が迫っていたので、早々に引き上げた。
ぽつりぽつり降りだした雨は、夜半になっても降り止まない。


午前1時
ルキアは寝床の中で雨の音を聞いていた。


ピピピピッ
パジャマの胸元で、伝令神器が突然鳴り出した。
虚、出現! 飛び起きたルキアは、一護の持っている子機の呼び出しボタンを押そうとして手を止めた。
……真夜中だ。奴はもう眠っているだろう。おまけに雨も降っている。
ルキアはうさぎのチャッピーのついたソウル・キャンディを取り出し、一粒、口に放り込んだ。
瞬間、義骸から死覇装姿の死神ルキアが分離する。
……1人で行こう。力は戻っている。…もともと1人でやっていた仕事だ。
新たな決意をもって立ち上がり、むくりと起き上がった義骸に「頼むぞ」と声をかけ、外の雨の中に走り出した。
「はい、いってらっしゃい」
パジャマ姿のルキアが可愛い声で、走り出ていく死神ルキアを見送った。


住宅街から離れ、工場の立ち並ぶ地区にやってきた。
人気の無い倉庫群に、細かい雨が降りかかり、いやな雰囲気だ。
「この中だな」
ルキアはかなり大きな倉庫の一つに入っていった。

白い影がある。茶色い髪にピアスをつけた、若い女の霊だ。ルキアを見るとホッとしたような顔で「あなたは……?」と聞いてきた。
「死神だ。貴様はこんな所で迷っているのか」
「なにか、いい匂いに誘われて来てしまったの。でも、ここは何だかいやな感じ…」
「ああ、ここは危ない。さっさと成仏したほうが身のためだぞ。良いか?」
「え? あ、はいはい分りました。お願いします」
女の額に斬魄刀の柄をあてて魂葬する。霊が消えていくのを見定めてから、ルキアは倉庫の奥を窺った。
……いる。虚はすでにそこに居る。
だが、姿は見えない。隠れているのか。それとも……
ともかく、足を踏み出した。




その頃、浦原商店では、コンが物音に気付いて起きだして来ていた。
「ネエさーん、なんの音ッスかあ」
寝惚けながら居間に来ると、卓袱台の前にパジャマ姿のルキアが座っている。
「どうしたんス、何かあったんスか」
「いいえ、なんでもありません」
ルキアのにっこり笑顔に、コンは思わず後ずさった。
「ね、姐さん……、こ、怖い」
「私、怖いですか?」
なんだなんだなんだ、いったいなんの罠だあーー?
ドキドキしながら観察してみる。
いつもより気弱そうな表情、女の子らしい仕草、口調も違う。
か、可愛いじゃねえか……しかし姐さん、まるで別人ですぜ。
はっそうか! これは姐さんじゃネエ。姐さんは今この躰を抜け出て死神となっているんだ。
ここに居るのは、108人の死神学者が創った理想の性格・義魂て訳か。
な、なあんだ、あせっちまったぜ。
理由が解かって、コンの肩の力が抜ける。ルキアはニコッと笑いかける。
「お、おう、よろしくなハニー。オレ様の名前はコンだ」
「はい、コン様。よろしくお願いします」

いいかも――――!!!




ルキアはゆっくり倉庫の奥に進んでいた。
常夜灯が点いているだけで、薄暗い。
慎重に、気を配りながら大きな積荷の陰を回ると、思いがけない物が目に入った。
倉庫のコンクリートの床から、金色に光る草のようなものが生えているのだ。
直径二メートル位の範囲で、それはゆらゆらといい匂いを発しながら、誘うように揺れている。
斬魄刀を握りしめ、ルキアは近づいて行った。

何者かの声がする。弱々しい男の声だ。
「……か?……ひとみか?……そこにいるのは…」
「ひとみと言うのは誰だ? 私はひとみと言う者ではないぞ」
「……ウソだ…君はひとみだろう……また、僕から逃げるのか?…」
なるほど、こやつは、ひとみと言う女に迷って虚にまで落ちたのか
「見て分らぬのか、私はひとみでは無い。死神だ。姿を現せ、貴様のその迷いを断ち切ってあの世に送ってやろう」
「目が見えないんだ。本当にひとみじゃないのか……」
細い金色の草の数本が、ゆるゆると伸びてルキアのほうに向かった。

「触って確かめさせてくれ……、死神なら諦めてあの世に行く」
「ん?……ま、まあ良かろう」
2・3ミリの太さの触手がルキアの頬に触れてきた。
「どうだ、分るか? ひとみと言う女ではなかろう」
「ああ分る…あんたはひとみじゃない……とっても旨そうな死神だ…」
「……貴様!」
斬魄刀を横に振ろうとして、手が痺れているのに気がついた。
瞬間、目の前が金色に染まる。すべての触手がルキアの躰に絡み付いてきた。
金色の触手の中心あたりの床から、虚の頭が徐々に昇って来る。
「ああ、今夜はいい獲物が釣れたなあ」
「くっ、失態!」




コンは義魂ルキアの膝に頭を乗せて、ボヘ―とだらしなく口を半開きにしていた。
さっきから、「ルキア、お茶!」と言えばお茶が差し出され
「腰を揉め」と言えばルキアが、小さい手で一生懸命揉んでくれる。
108人の死神学者のうち、107人は男だな、間違いない。
『男に従順』という男にとっての理想の女の1パターンが見事に体現されていた。
それにしても、こんな願っても無いチャンスを前に、オレはいったい何で
ぬいぐるみなんだ――――!
オレが今、一護の身体に入っていたら、いや誰の身体でもいい、とにかく身体さえあったら
絶対やる。
やっちまう。やりてえ。させてください。
うわああ、悶える。悶え狂うぅぅ
くそ、出来ないものはしょうがねえ。ポジティブ・シンキングだ。
そ、そうだ!忘れてた。いい物があったじゃねえか
コンはガバと起き上がると、ルキアに手伝わせて押入れからダンボールの箱を引っ張り出した。
「オレがどうやってこれを手に入れたかは聞くな。話が長くなる。
 大事なのはこれがここにあるという事実だけだ。さあルキア、これに着替えるんだ」
「はいコン様、でも……」
「でもは無し」
「男の方の前で着替えるの、恥ずかしいです。向こうで着替えてきます」

「いや、ここで!」
とコンは言ったが、ルキアは箱を持って小走りに自分の部屋へ行ってしまった。
「ちぇー、生着替え…」
ぶつぶつ言いながらウロウロ待っていると、襖の陰からルキアが顔をのぞかせた。
「着替えました」赤い顔をしている。
「よし、出て来い」
「は、はい……」
恥ずかしそうにオズオズと進み出る。

黒のフリルのミニスカートは足の付け根ぎりぎりの丈で、すらりと魅力的なルキアの太腿が惜しげもなく見えている。
大きく開いた胸元とスカートの下には白いレースが重なっている。
右の太腿だけに、セクシーなガーターベルトを着け、決め手は白のフリルのヘアバンドとエプロン
いつもより可憐な風情のルキアに、そのメイド服はこれ以上ないほど似合っていた。
「よ、よし! じゃそこに膝を付いて手も揃え、首は45度に傾けてオレを見上げる」
コンはよいしょと卓袱台の上に乗って、ルキアを見下ろした。
「そして、こう言うんだ『ご主人様、御用をお言いつけください』」
「ご主人様、御用をお言いつけください」
いつも見下ろされているルキアから、可愛く上目づかいで見上げられ
コンは感極まってのけぞり、そのままバッタリと倒れてしまった。

……だめだぁ、オレ、もう、止まんねぇ



倉庫の中ではルキアが、痺れる躰を必死に動かして、金色の触手から逃れようともがいていた。
「くそ、離れろ、この!」
触手の拘束は弱いが、手を振ろうが足を動かそうが、柔軟に伸びて決してルキアから離れない。
それだけでなく、奴等は襟の袷や袖口、袴の裾からも侵入し
直接ルキアの素肌の上を這いまわり始めた。
もはや躰のあらゆる所が、細い触手の先端に触れられ、蹂躙されている。
背中にも、腋の下にも、柔らかな双丘の桜色の蕾みにも、白い小さな尻にも
躰中が何百本という触手の蠢きまわる感触に、痺れ、震えていた。
「あ、あ、あ、あ、やめろ!」
おぞましさと快感の狭間でルキアは取り乱し、息をあらげて身を捩る。
床に引き倒されながらも斬魄刀を振るう。
しかし、わずかな触手が落ちるだけ、ほとんどダメージは与えられない。
「くっ…このッ……あっ、…あぁ!」
触手は器用にも帯の結び目の中にも入り込み解いて行く。
ふぁさりと袴が落ち、襟元も襦袢もはだけられて、ルキアの白い姿態が露になってゆく。
身体中を触手に犯され、悲鳴をあげながらもがき悶えるその姿は、壮絶なほど艶かしい。
「ううっ、やめろ、やめろこのっ…」
また刀を振るおうとしたその手が空中で止まった。
「!?」
新たな触手がルキアの手に絡みつき、動きを封じていたのだ。
それは他の触手とは全く違う形をしていた。
手首ほどの太さで、紫がかった赤黒い色をしており、肉質の管の様だった。
表面には血管のような物が走り、粘液で濡れ滴って、さらにそれ自体もどくんどくんと脈打っている。
先端は筒状になっていて、内部からイソギンチャクのように白い舌が三枚覗いている。
その舌がルキアの手首をがっちりと掴んでいるのだ。
「ひっ!」
醜く淫猥な形状に背中が総毛起つ。
そいつ等は蛇のように蠢きながら、ゆっくりと左手に、そして両足にも捲きついてくる。
すでに何もかも剥ぎ取られ、全裸となったルキアの華奢な腰にも二重三重に絡みつく。
そのまま何本もの触手に空中に高く差し上げられた。もう身動きが出来ない。
斬魄刀も奪われた。完全に拘束されてルキアは恐怖に慄いていた。

「ああ、いいねえ。楽しもう楽しもうよ、死神ちゃん」
虚は顔以外のすべてが触手と化していた。

宙に浮いて、ぬらぬらと濡れ光る赤黒い触手に、その美しい肢体をもてあそばれるルキア
両手を背中にまわされ、胸を突き出した格好にさせられる。
ルキアの両側から、さらに二本の触手が首をもたげて来た。
無防備なふくらみに狙いを定め、閉じられた触手の先がゆっくりと開いてゆく。
透明な液が滴り落ち、白い舌がぬらりと顔を出す。
三角錐の形状で先端の尖った舌が三枚、目の前で蠢くのを見て、ルキアは触手を振りほどこうと渾身の力を振り絞った。
だが何の効果もなく、捲きついた触手は緩みさえしない。絶望に顔を歪ませ、いやいやをする様に左右に頭を振る。
「はなせ! はなせーーーっ! ……あっ! あぁッ!!」
尖った舌の先がルキアの胸の二つの蕾みを捏ねくりまわす。
起ちあがり赤みを増したそれに、快感を与えるような動きを繰り返す。
「あッ……んん……くぅぅ」
冷たく濡れた感触がおぞましい、なのに刺激に身体が反応しはじめてゆく。
蕾みを二枚の舌が摘んでひっぱりあげ、柔らかなふくらみが形を変えて引きつれる。
次には両方に三枚ずつの舌がたっぷりの液体を撒き散らしながら、小さくも形のいい乳房を舐めまわした。
「楽しんでるかい、死神ちゃんよう」
「や、やめろ……やめろ……」
しゅるっと舌が触手の先端に収まった。窄まった先端の口が蕾みに近づき、ぱっくりと咥える。
ちゅうちゅうと吸い立てながら、内側では舌が蠢いている。
「あ………」
「まだまだ序の口さあ」
足の間にさらにもう一本の触手が鎌首を擡げる。
すんなりした太腿が無惨にも左右に広げられ、
必死の抵抗にもかかわらず、触手の頭部が可愛らしいルキアの裂け目を擦り出した。
「いやっ!いやああぁぁぁっ!!」
いまやルキアは死神とは言えず、化物に嬲られるひとりの無力な少女でしかなかった。
……こんな気持ちの悪いものが、私の中に入ろうとしてる……嫌!それだけは嫌……耐えられない
こわい……
身体が震え、背筋を冷たい汗が流れる。



静まり返っている黒崎医院
少し前まで熟睡していた一護だが、何かに呼び起こされるように、ふと、目を覚ました。
ゆっくり上半身を起こし、怪訝そうに耳をすます。
なんの音もしない。
突然一護はぎくりとし、弾かれたようにベッドから飛び出して、窓を開けた。
細い雨が降っている、その向こうを透かすように気配を窺う。
来てる……虚が…
「ルキア、あいつまさか独りで…」
猛烈なスピードで服を着替え、用意してある靴に足を突っ込むと
「ばかやろう!!」
と罵りながら、2階の窓から飛び出した。



ルキアは抵抗をし続け、身をよじる。
傍から見れば、実に隠微な有様だ。
「はなせ! はなせっ!」
桜色の胸の蕾みに吸い付いていた触手が、ちゅちゅっと透明な糸を引きながら離れ、今度は可憐な唇を狙ってくる。
無理やり押し付けられる触手を避けようと、ルキアは口を固く閉じて、烈しく首を振る。
もう一方の蕾みを吸い立てていた触手は
また白い舌を広げ、ルキアの細い首をつかんでぎりぎり締めつける。
「う…う……ぐぅぅ…」
息を止められ苦しさに喘いで開かれた口に、太い触手が捩じ入ってくる。
「う!う!…ううぅ!!」
咽喉の奥の奥まで、情け容赦も無く侵入され、えづかされ、ルキアの黒目がちの大きな瞳が潤む。

開かされた足の間では、三枚の舌が激しく秘部を舐め回している。
「さあ、どんどんよくなってきたよー。たまんないだろう、ねえ?」
「ん――っ! ん! ん!」
「そんなに喜ぶなよ、いいものあげたくなっちゃうからさあ」
口の中を陵辱していた触手がドクンドクンと脈打ちながら膨れ上がって、唇は最大限に押し開かされ
次の瞬間に咽喉の奥に化物の体液が勢い良く放出された。
口から触手が引き出されながら、さらに白濁した粘液が多量に飛び散り
目を閉じたルキアの顔にぶち撒けられた。
嫌悪感に身を震わせながら、咽喉の奥の体液をはきだそうとするが、
仰向けで固定されているため上手くいかず、飲み込んでむせてしまう。
身体中がおぞましい体液で汚されていた。
絹のような肌の上を醜い触手が這いまわる。
「…いや……あぁ……や…め……」
抵抗に力を使い果たし、弱々しく肩をひねって逃れようとするが、
ルキアの身体は白い三日月のように、空中に固定されたままだ。
足の間には二本の触手が差し込まれ、六枚の舌がそこを嬲る。
桜色の花びらが左右に開かれ、入り口を二枚の舌先でなぞっている。
触手の吐き出す粘液でルキアの秘部も濡れ光っている。そこは火のついたように熱く感じられた。
飲まされた体液に催淫作用があったのだ。
「うっ……あ、あっ…!」
敏感な突起も、包皮を無理やり剥かれ、そこに濡れた舌が微妙なタッチで触れてくる。
「ひっ……くぅぅ…」
死ぬほど嫌なのに、感じやすい躰が反応してしまう。躰の奥から熱い潤みが湧き出すのを感じ
ルキアは目を閉じて、きつく下唇を噛み締めた。
「さあて!おまたせー。欲しかったろう?いくよー」
「よせ!…やめろ!やめろーーっっ」

舌を頭部に収め、膨れ上がった太い触手が花びらの中心に当てられた。
と思った瞬間、口まで串刺しにせんばかりの勢いで、激しく挿入される。
「あああぁぁぁぁぁ………」
絶望的な哀しい悲鳴が倉庫内に響く
陵辱の衝撃と躰を裂かれた痛みに、震え、のけ反るルキアに
容赦なく暴力的なピストン運動が加えられる。
見開いていた瞳が窄められ、苦しげに寄せられる眉。
突き入れられるたびに上下に揺すられ、小さな乳房も揉まれるように揺れた。
「ぁぁ…ぁぁ…ぁぁ…ぁぁ…ぁぁ………」
意志を失ったように、か細い苦しげな喘ぎ声をあげ続け、空ろな半開きの瞳から一粒涙が零れ落ちる。
同時に虚に犯されている孔からも、抽送のたびに透明な雫が迸っていた。
「いい、いい、その顔、ぞくぞく来るよ」
虚は、飽きる事無くルキアを貪り、えぐる。
ただただ苦痛を耐え続けたルキアの体内に、一際激しい突き入れと共に虚の体液が吐き出された。
それは20秒の間どくんどくんと脈打つ触手から大量に注がれ、
やっとルキアの中から忌まわしいものが引き抜かれた。


「どうだった死神ちゃん、良かったろう?感想を聞きたいねえ」
「…………」
「口もきけないほどかい、く、く」
いまだ両手両足を触手に捲きつかれたまま、ルキアはハァハァと荒い息をしている。
「でもね、これで終わりじゃないんだよ」
「!?……あっ」
触手に躰を起こされ、腕2本で宙吊りにされた。まるでYの形に見える。
「何本もあるからね、別口もあんたを味わいたいってさ」
ルキアの両足が徐々に左右に開かされる。触手が伸びてゆく。
「あ……い、いやだ…もう……、!! あっ…ああ…!」

磔のように大の字にされて白く浮かび上がるルキアの躰を、うねうねとのたくりながら触手が犯す。
「く…ぅ……、き、貴様……、このような浅ましい姿に成り果てて…、貴様の惚れて…た、ひとみとやらが知ったら……あっ…く……悲し…むぞ」
「え?何? ひとみの事を聞いてくれるの? ひとみは美人だったよー、そりゃそうさ、タレントだったからねえ」
虚は調子に乗って喋り始めた。
「俺は追っかけやってたんだけど、所詮手の届かない高嶺の花さ。
 だけど他の女をレイプしている時に、そいつの男に殴られておっちんじまったワケ。」
「なん…だと?」
「それからはひとみにずうっと引っ付いてたさ。で、気が付いたらこの姿。はは、でも好都合だったぜ」
「……何を…した…!」
「もちろん真っ先に犯してやったのよ。人の来ない所に閉じ込めて、死ぬまで何日も犯して犯して犯し抜いたさ、楽しかったよオ」

ルキアの顔色が変わったのに、虚は気が付かない。
「その後は、人間も犯ったし、一度は死神の女も犯った。あれはすぐ喰ったけど旨かったなあ」
「…………」
「あんたも、とっても旨そうだけど、気に入ったから、ひとみと同じようにずっと犯り続けてやるよ……
 ん?何? 何ブツブツ言ってんの?」
激しい怒りがルキアに力を与えていた。
拘束されている両手を何とか寄り合せ、印を結ぶ。術式を唱える。
「破道の四!! 白雷っ!!」
  ドンッ
低い破裂音と共に、鬼道の弾が虚の仮面の上で炸裂した。
「ごぐっ」
触手から力が抜けたその隙を付き、ルキアはコンクリートの床に降り立った。
すかさず落ちていた斬魄刀を拾い上げる。
「しまった…」
ルキアの眼光は、ひたと虚を見据える。
刀の切っ先が左のつま先の前で静止した。
「遅い。すべて遅い。罪を悔いるにも」


次の瞬間、ルキアは跳んだ。

左下から右上に撥ね上げられた斬魄刀の閃きが、虚の顔を真っ二つにした。
気味の悪い断末魔の悲鳴
しかしその後ろで、さらに不気味な海鳴りのような音が響き渡る。

「迎えが来たぞ、さあ地獄の門が開く」

倉庫の高い天井さえも突き抜ける巨大な地獄門。
「生前犯した罪が、貴様を呼んでいる。逝くがよい!」
死神ルキアに引導を渡され、叫び声をあげながら虚は門の中に消えていった。



静寂が戻ってきた。

ゆっくりと辺りを見渡す。散らばっている死覇装を拾い上げて身に付ける。
「帰るか……」
立ち上がったその時
ガン、ガン、ガン、グワシャーーンと、凄まじい音が響いた。
驚いて振り向くと、倉庫の入り口のドアが壊されている。
鉄パイプを手に入ってきたオレンジ頭。

「い、一護」
「ルキア! てめえ」
つかつかつかとルキアに詰め寄ると、頭から罵声を浴びせた。
「なんで俺に知らせないんだ! てめえはそういう所が水臭せえってんだ! ばかやろう!」
「う、…うん」
「探すのに手間取った。死神になってないから足も遅いし、入り口も開いてねえし…」
一護は奥を見やった。
「虚は?」
「やっつけた」
「無事か?」
「ぶ、無事だ…」
「ならいい。二度と独りで動くなよ」
ルキアは微笑んでうなずいた。真剣に怒る一護の気持ちが嬉しかった。

「……ところで一護。なんだか警報が鳴っているようだぞ」
「やべっ、入り口壊したから……逃げるぞルキア」
「それしかあるまい」
走り出そうとして、ルキアは派手にすっ転んだ。
「何やってんだ、オマエ?」
「う? 何かな…足に力が入らぬ。……い、一護、先に行け!」
「ばか、置いていけるかよ。ったく、しょうがねえな……よっ」
一護がルキアを抱え上げたので、ルキアは面食らってジタバタした。
「な、貴様、何を…」
「うるせえよ」
外の雨は小降りになっていた。
「濡れるけど勘弁な。走るぜ。つかまってろ」
「ああ…」
ルキアは一護の首に手を回し、目を閉じた。


            ― 続く ―



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