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朽木ルキア大ブレイクの予感パート7 :  366氏 投稿日:04/07/06 03:34


『イチ→ルキ小話ルキア視点』


―――頭が痛い。どうしようもなく。
ここ数日続く偏頭痛の痛みで、ルキアのここ数日は気が重いばかりだった。原因は分っている。
鈍痛に揺れる頭を抱えながら、苦々しげに窓の外を見やる。…雨だ。数日前から降り続く、
強くはないがしとしととしつこく流れ落ちる雨。雨は嫌いではない。むしろ好きなほうなのだけれど、
時たま体調や気分の不調に応じて発生する偏頭痛には辟易していた。
そしてなぜ偏頭痛が発生したのかも、ルキアはなんとなくわかっていた。
小さくため息をつく。思い出すのは背中だ。細身の割に大きな、男の背中。
『おまえはもう抱かない』
その時一護がどんな顔でその言葉を言ったのか、ルキアは見る事が出来なかった。
いつものように淡々とした口調でそれだけ言った彼の後ろ姿を、散々苛められた後のルキアは
ぼんやりと見つめているだけだった。
それはある夜のことで、何故かはわからないが一護はやたらルキアを苛め抜いたのだ。
身も心もどろどろになったあの時は、本当に悔しくて仕方がなかった。
…それから数週間、宣言どおり彼は一度もルキアの体を求めてはこなかった。
元々自分から誘っていたわけでもないので、それ以来ルキアも何も言わずに昔のように押入れで眠っている。
寂しいとは思わない。もともと繋げていたのは体だけだ。
一護が自分を求めるそれは思春期の少年の性欲からであるとルキアは思っていたし、また一護自身、
自分はそうであると理解しているようだった。そしてルキアは――。

「海燕殿…」
そう。いつも一護に彼を重ねていた。今はもうどこにもいない、過去に愛したその人。静かに降る雨の中で笑って消えた、
今も忘れられないその人。目を閉じなくとも思い浮かぶ、あの強い眼差し。
一護は彼に似ていた。心の奥に隠してしまった想いを呼び出してしまった。
寂しいとは思わない?…本当は寂しいのかもしれない。雨の所為で冷えた体を少しだけ抱きしめる。
放課後の喧騒にぼんやりとしながら、ルキアは教卓の前でつるんでいる一護を見た。
あれ以来抱かれはしないものの、日常生活においての彼のルキアへの態度はいつもと変わりなかった。それが有難かった。
眉をしかめながら、笑う。そんな表情を、確かに海燕もしていた。
寂しいのかもしれない。一護に…、海燕に抱かれることが出来ないのは、寂しいのかもしれない。
「…最低だな…」
いつも、私は汚い。
軽く自嘲すると、ルキアは鞄を取って教室を出た。いつもは一護と共に帰宅する。いつ虚が出現するかわからないからだ。
しかし今日は一人で帰る。―― 一人で帰りたかった。

裏口からこっそり侵入し、足音を忍ばせて二階の端の部屋まで行く。
ここに来てから今まで、ルキアはいつもそうして一護の部屋に帰っていた。今はこの部屋が一番彼女を落ち着かせた。
鞄をほおり投げてベットに倒れこむ。ずきずきと痛む頭を枕に押しつけて、うつ伏せになったままルキアは
そっと目を閉じた。一護の匂いがする。一護を思い出すと、反射的に海燕を思い出してしまう。
海燕に抱かれた事はない。ルキアの片思いだった。海燕殿の背中はどうだったのだろう?胸は?腕は?手は?
思い出すのは一護の体だ。それでもよかった。海燕を重ねられれば、それでよかった。
一護の部屋で、一護のベットで、一護の匂いに包まれて海燕を思い出す。しばらく使われていない体は、
溜まっているせいか敏感に反応を示した。
「……。」
下腹部がじんと痺れる。恐る恐る下着の中の小さな裂け目を探ると、そこはすでにうっすらと潤っていた。
逸る鼓動を落ち着かせようとしつつ、ルキアは人差し指を自分の中に少しだけ差し入れた。
「んあ…っ…」
くちゅり、と小さな水音がして、指がねっとりと中に誘導される。こんなことを自分でするのは初めてだった。
未発達な乳房の双方の先もすでにかっちりと硬く立っている。それを指でころころと転がすと、甘い快感が下腹部にまで届いた。
「はあ…。…ふ…」
(だめだ…。こんなことは…。もうすぐ一護も帰ってくる…!こんなことは、…だめなのに……)
頭ではわかっていても体は抑制がきかない。すでに濡れきった蜜壷の中には、愛液が絡みついた指が三本さしこまれている。
それを動かせば動かすほど、ルキアは何も考えられなくなっていった。
「あっ…、はああっ、あん…!ああっ…!!」
ぬかるみを踏みしめるような音が部屋中に響き渡る。
「ふああ、んはあ…!やっ、…ぅン…!!」
そろそろ意識が飛びそうだというその瞬間、突如乱暴な足音がルキアの耳に飛び込んできた。
(一護か!?)
急いで布団の中に潜り込み、とりあえず狸寝入りを実行する。あれだけ火照った体はいっぺんに冷めてしまった。
どうしても一護にだけは、見られたくなかった。

「おい!ルキア!てめえいるんだろ!!帰るんだったら先に帰るとか一言言えよバカヤロウ!!」
バシッ!っと乱暴にドアが開かれ、普段よりも一層眉間に皺を寄せた一護が部屋に入ってくる。
ルキアはあえて、何も返事をしない。
「寝たふりこいてんじゃねーぞ。てめぇのやることはお見通しなんだからな」
不機嫌そうにそういうと、彼はルキアの後頭部を軽く小突いてどすんと椅子に座った。その小さな振動が、
ルキアに再び偏頭痛の痛みを思い出させる。
「痛っ…!!」
ぐわんぐわんと唸る頭を押さえて、ルキアは体を丸めて痛みに耐えた。
「痛いふりしてんじゃねーよ。おまえそういうのも大概にしろよな」
いつもならここで何か言ってやるのだが、今日はそれさえも出来ない。何も言わずに動かないルキアを見て、
さすがの一護も眉をひそめた。
「…なんだ…、本当にいてえのかよ…?…悪ぃ、そんなに強く小突いたつもりはねぇんだけど…」
「…いや、今日はもともと頭が痛かったのだ。貴様の気にする事じゃない。それより少し休ませてくれ」
とりあえずにっこりと笑って一護を見る。既に痛みは眼球の後ろまで来ていて尋常ではなかったが、あまり彼に
心配をかけたくはなかった。とにかく早く横になっていたかった。
「ああ…、…なんか薬持ってきてやるよ。義骸に効くのかはわかんねぇけど…」
ぼりぼりと頭をかきながら薬を取りにいく一護の後ろ姿に礼を言って、ルキアは目を閉じた。

「多分これ飲んどけば大丈夫だ」
白い錠剤を二つ手のひらに置かれる。机の上にはコップがあった。薬はあまり好きではないルキアだが、
どうこう言っている場合ではない。錠剤を水で一気に飲み干し、重い頭を再び枕に落とした。
「すまない」
「別にいいんだけどよ。その調子だと朝から痛かったんじゃねぇのか?あんま無理すんなよ」
鞄から今日の宿題を取り出しながら一護が言う。そして今日は虚が出ないといいな、と言いながらノートを開いた。
そんな彼を、ルキアはじっと見つめていた。
橙色の髪。海燕殿は黒だった。海燕殿は一護よりも多分背が高かったと思う。
「…なんだよ、じろじろ見やがって。…気持ち悪ぃな」
襟足。一護のほうが短い。下睫毛。海燕殿のほうが長い。
「おまえ今日マジでおかしくねえか?頭の痛みでどっか変になったんじゃねえの?おい?…おい!」
海燕殿は…。一護は…。海燕殿は、一護は、…一護は……。
―――気がつくとルキアは一護をベットに引きずりこんでいた。死ぬほど頭が痛いのに、どこからそんな力が出たのか、
彼女自身分らなかった。顔が近い。こんな距離は久しぶりだ。
「どうしたんだよ、ルキア…」
珍しく戸惑った表情をした彼がルキアを見上げている。ただそれだけなのに、ルキアはどうしようもなく泣きたくなった。
大声を上げて泣きたくなって、その代わりに一護にそっと口づけた。
半分開いた彼の唇にそっと舌を忍び込ませ、前歯を撫で上げた後歯茎をなぞる。生暖かい感触が、
何故かルキアを落ち着かせた。
「おい、ルキア…?」
一護の呼びかけを無視して、彼をぎゅうと抱きしめる。彼のわきのすぐ下から腕を絡めて、力いっぱい抱きしめる。
そして彼の首に自分の顔をいやいやとするように押しつける。
(子ども染みている…。こんなことは…)
自分でも分っている。それでも久しぶりの一護の体温が、何故かどうしようもなく愛しかった。

「…貴様を抱いてもいいか?」
しばらくユーカリにへばりついているコアラのように一護に抱きついていた後、ルキアはかすれる声で囁いた。
一護はぎょっとした様子でルキアを見つめ、そしてにやりと笑った。
「女の言う台詞じゃねえよ」
今度は一護がルキアをベットに押し倒す。抵抗しないでベットに埋もれ、前より少しだけ痛みのひいた気がする
頭を軽く振って、ルキアは一護を見上げた。彼はなにか戸惑っているようだった。
「…一護…?」
首をかしげながら、そっと彼の頬を撫でる。一護はしばらくルキアにそうさせた後、
突然決心したようにルキアの唇を吸った。
「ふ…!?…ん…、うん…、はん…!!む…」
息をする暇もなく舌を絡ませあい、滴る涎を気にする事もなく互いの唇を貪る。
力強い舌がルキアの口蓋をちろちろと這い回ると、彼女は背筋をぞくりとさせた。温い吐息が次第に熱くなり、
限界がきそうなところで一気に唇を離した。息を荒げて胸いっぱいに酸素を吸い込む。
ルキアの体には再び火がついていた。溶けそうな下腹を手で押さえて、一護の次の行動を待つ。
…が、いつまでたっても、一護はそれから動かない。

「一護…?」
「すまねえ、ルキア…」
がくりと項垂れて、一護が搾り出したように唸る。突然の一護の様子に、ルキアは戸惑った。
「どうしたのだ?貴様、最近ちょっとおかしいぞ?いきなり抱かないと言い出したり、…その前はあんなに乱暴にしたり…。
一体どうしたというのだ…」
お預けを食らった気分で、口を尖らせる。一護は下を向いたまま、泣きそうな声で吐き出すように言った。
「…おまえが、好きだ…」
その言葉に凍りつく。一護…?誰が、誰を好いておるのだと?
突然の彼の告白に、ルキアの時間は一瞬止まった。それからしばらくの沈黙の後、一護が堪らず口を開く。
「わかってたんだ…。おまえが俺に誰かを重ねてたって事…。最初はそれでいいと思ってた。だけどよ…。
おまえが他の誰かを見てるって事を知れば知るほど、…俺はそいつにどうしようもなくいらついてたんだ…。
…俺を無視してるおまえにも腹が立った…」
一護の顔が見えない。下を向いているから。ルキアは何も言えずに、自分と対面している橙頭の旋毛を見つめていた。
「体だけでも欲しかった。体だけでいいと思ってた。だけど、…おまえはそれさえ許しちゃくれなかった…。
俺にはもう、おまえを抱く事なんてできねぇよ…」
下を向いたまま一護が立ち上がる。
「ちょっと頭冷やしてくる」
乱暴にドアが閉まる。ルキアはただただ、それを見送るしかなかった。

雨は相変わらずしとしとと降り続いている。一護は何処にいったのだろうか?
残されたルキアは一人そんなことを思いながら、雨音が聞こえる部屋で体を丸めてベットに座っていた。
(あやつが私を好いているだと…?あんな餓鬼に私の何がわかっているというのか…。
一時期の感情に流されおって……。)
そしてバシリ、と枕を投げ捨てる。――違う。そんなことを思っているわけじゃない。一護が悪いわけではない。
むしろ責めるべきなのは――
(この、私だ…)
どうしようもない罪悪感にかられながら、ルキアは支えるように片手を頭にやった。
(あやつは…、一護は全て分っていた…。その上で私を抱いていたのか…)
自分の情けなさに涙が出そうだった。どうして彼の気持ちに気づいてやれなかったのか。
どうして彼をここまで傷つけてしまったのか。全ては自分の責任だと、ルキアはひたと感じていた。
そしてあの夜のことを思い出す。執拗に攻立てられた快楽の中で、一護が言ったあの一言。
『今だけでいいから…、今だけでいいから俺を見てくれ…!』
懇願するような、彼の滲んだ瞳。今まで気づくことが出来なかった。彼が誰を見ているのかということ。
あの時、ああすることでしか気持ちを晴らせなかった一護に、ますますルキアの胸が痛む。
そうさせたのは、自分だ。彼に甘えた自分なのだ。
(それでも、それでも私は海燕殿が……)
そこで、ふと気づく。一護に出会ってから、ルキアの胸の奥に閉まっていた海燕への想いは、ゆっくりと再燃していった。
でも、何故?何故今頃になって、ルキアは海燕の影をやたらと追いかけるようになってしまったのだろうか。
――抱えた頭から手を離す。ためらう事など考えもしない。ルキアは脱兎のように家から飛び出し、
雨に濡れているだろう一護の背中を捜しに走った。

薄暗い雨の公園に一護はいた。なにをするでもなく、ただぼんやりと立っている彼の後ろ姿が、
ルキアの胸を締め付ける。しばらく声をかけるのをためらって、それでもなんとか、彼の名前を呼んだ。
「…一護…?」
ぴくりと肩を震わせて、一護がゆっくりと振り向く。そこで初めて、彼の顔をルキアは見たような気がした。
雨に濡れたオレンジの頭には覇気がない。いつも無愛想にしているその顔は、今は痛みを堪える子どものような
表情をしていた。今まで気づいてやることが出来なかった、彼の中にあるその表情。
思わず、ルキアの口の端が緩む。わかっている。この気持ちをなんと言うのかを。
「貴様が好きだ」
雨の中でルキアが笑った。一護が少しだけ眉の端を吊り上げる。
「今まで貴様に誰かを重ねていた事は確かだ。…だけど、私はそうするしかなかったんだ。
誰かを重ねていないと、私は貴様に惚れていた」
言いながら、ルキアはゆっくりと一護のほうへと歩き出す。
「手前勝手なことを言っているのは分っている。だけど…、これが私の真実だ。いや、…そうだな、貴様に惚れていたから、
誰かを重ねる事で誤魔化すしかなかったのかもしれない」
十分に彼に近づいたところで立ち止まり、驚いた顔の一護を見上げる。もう、彼から目を逸らしてはいけない。
「…好きだ」
言った瞬間、突然ぐいと腕を引っ張られる。そのまま一護の胸に抱かれ、ルキアは彼の背に手を回した。
「…すまねえ…!」
ルキアを強く抱きしめながら、一護が小さく叫ぶ。
「たわけ…。何故貴様が謝るのだ…」
なだめるように背中を撫でながら、ルキアが優しくささやく。想いが通じ合った事は嬉しい事なのに、
何故かルキアは悲しくて泣き出しそうだった。どうしようもなく心が張り裂けそうだった。
そっと互いの唇を近づける。雲のように柔らかい、優しくて儚い口付け。そうやってお互いの感触を確かめ合って、
そしてもう一度抱き合う。すでに闇に包まれた公園は、薄暗く光る電灯の光でかろうじて二人の姿を浮かび上がらせていた。

公園の屋根がついているベンチがある場所へと二人は避難した。
天気のいい日中はここで主婦の井戸端会議などが行われているのであろう。
そこで二人は再び抱き合い、再び唇を吸いあう。今度は互いに舌を絡ませ、ゆっくりと欲情のスイッチを押してゆく。
「ふ…、はぁ…。ん、むぅ…、は、ふぁ……」
そのまま首を舌でなぞられ、耳朶を優しく甘噛みされると、ルキアはびくりと背を仰け反らせた。
「ひゃ、ああっ…!い、一護、ここでは人が……」
「…大丈夫だ。周りは木で覆われてるし、もう暗いからよく見えねえよ…。それに…、
もう我慢できねえことくらい分ってんだろ…」
言うと一護はルキアの制服のボタンの間から手を入れ、さほど大きくないルキアの胸を強く揉みしだく。
「あっ…!あぁ…、は、あ、…んあぁ…」
上下左右へと蹂躙される乳房の甘い感覚が、ルキアの脳を次第に快楽で痺れさせてゆく。ブラをずらされ、
痛いくらいに硬くなった双方を舌先で強く舐められると、泣きそうなくらいに気持ちが良かった。
「…んはぁ…!い、一護…、は、ぅ、ああ、…ふああぁん…!」
「ルキア…。もっと声出してくれ…」
朱に染まった彼女の顔を見つめながら、逃げようとする彼女の上半身を抱き寄せて胸元をついばむ。
雨で冷たくなっていたルキアの体に、少しずつ温度が戻ってきているのを感じた。
一方ルキアのほうは、既に立っているのが精一杯だった。屋根を支える柱に背をもたれて、
今にも崩れ落ちてしまいそうな両足をなんとか奮い立たせる。
「…わりぃな、ちょっとやりにくくて…」
一護は困ったように笑ってルキアに軽く口付けると、そのままルキアの茂みを弄った。
「は…、やっ…!ふぁ、あっ…!」
様子を見るかのように自分の秘部をそろそろと這い回る指が、ルキアの下腹をどろどろに溶かしてゆく。
自分でもどうしようもないくらいに蜜が滴っているのを感じた。そして一層恥ずかしくなる。

「おい…。後ろ向けよ…」
努めて冷静な声で、しかし息を荒くさせながら一護が言う。快楽の甘さに痺れて動きにくくなっている両足を酷使して、
ルキアは柱に凭れかかりながら後ろを向いた。
ひんやりとしたコンクリートの感触が、火照った体に心地よい。
そのまま自分の腰をやんわりと一護の前に近づけた。今までルキアが自分から求めた事は、
あの夜の日以外は一度もなかった。だけど今日はそうすることで伝えたかった。
自分が一護を好いているというコトを。
両の足の間にあつい熱を持った肉の感触を感じる。覚悟を決める間もなく、ルキアは後ろから一気に貫かれた。
「ひゃ、ふ、ああぁぁっ…!!」
何度も何度もされていることなのに。何度も何度も声を上げて、そして何度も何度も感じてしまうのが自分でも不思議だった。
自分がいやらしいような気がした。
「ルキ…ア…!」
うなされるように、一護が名を呼ぶ。それを耳で聞きつつ、背後から波のように襲ってくる快感にルキアは必死だった。
自分の中の最奥にまで侵入してくるそれが、下腹部から体全体に疼きのような淫靡な心地よさを与えてくれて、
それがどうしようもなく気持ちいい。
「あっ…!んっ、は、ぁあっ…!一護…!あん!あっ、ふぁ、あ、ああっ…!」
熱に浮かされたように声を上げながら、自分も一護のリズムに合わせて腰を打ちつける。
生暖かい液が自分の太ももから足へと滴り落ちていくのが分った。それが一護のものか、自分のものか、
どちらなのかはよくわからない。むしろ二人の体液が混ざり合っているのなら、それがいいとルキアは思った。

「んっ、あっ、ああっ、や、はぁ…、うっ、あっ、…は、ぁ、うあ…!!」
そこでぎゅうとルキアは目を閉じる。どくどくと激しく脈打つ自分を認識しながら、飛んでいきそうな快感に身を委ねた。
全身の力が抜けて思わずその場に崩れ落ちそうになるのを一護が抱きとめる。
「ん…。すまない…」
濡れた髪を掻き揚げながらほうとため息をつく。しかし落ち着く暇もなく、今度は互いに向き合った状態で抱きかかえられ、
そしてそのまま再び貫かれた。
「やああっ…!い、一護…!!」
「俺はまだイッてねえ…」
呼吸を抑えるようにして一護はそういうと、ルキアを自分の胸に沈めながら一方で彼女を激しく突き上げる。
「あああぁぁっ…!!」
イヤというほどに溢れ出しそうな快楽が、再びルキアを襲った。
「はあっ、あっ、ああっ…!やん、もっ、いっ、一護ぉ…!!」
彼の首に両手を回して、ルキアがもうダメだと懇願する。
一度飛んでいってしまった体は以前より感じやすくて、こうもしつこく弄ばれるとどうにかなってしまいそうだった。
 「まだだ…、ルキア…」
なにかに集中するように目を閉じたまま、一護はこれでもかというくらいにルキアを突き上げてくる。
抱きかかえられたままそんなことをされると落ちてしまいそうで、不安なって一護に抱きつくのだが、
それが更に一護をルキアの中へと侵入させていた。このまま脳天まで突かれそうな気がした。
 「ふ、うん…、あっ、はぁ、ああ、んは…!うん…!ぅうん…!!」
出来るだけ意識が飛ばないように我慢しながら、もう一度一護の腰の動きに合わせる。
結合部分から聞こえるぐちゅぐちゅという音が、やけにルキアの耳に響いた。
 「っは…!そろそろ…」
それだけ言って、一護が更に腰の動きを速めた。擦れる部分から染み出る快楽が、再びルキアを飛ばそうとする。
それと必死に戦いながら、ルキアは一護を見つめた。
頬を赤く染めて、眉をしかめながら快感を貪るその顔が、堪らなくいとおしい。
 「一護…」
ぼたぼたと、涙が零れ落ちた。こんなに近くにいるのに。今まさに二人は繋がっているのに。なのに、どうして。
 「一護…!ああっ、一護…!!一護、いち、ご!…っ、一護ぉ…!!」
何度も何度も名前を呼ぶ。濡れた制服ごしの背中に爪を立て、離れないように必死に体を寄せる。
 「う…あ…、ルキ…アっ…!」
小さくそう喘ぐと、一護の体がびくりと固まった。ルキアもそれに合わせて彼自身をぎゅうと締め付ける。
生暖かい体液が、二人の両足の間からどろりと零れた。
暑い。体中がぐっしょりと濡れていた。雨だか汗だか、それとも体液だかわからない生ぬるいものが、
二人の体をびしょびしょにしている。
 「…どうした?目ぇ赤いぞ」
上気した顔をかしげながら、ルキアをしっかりと抱き寄せたまま一護が言う。
 「…なんでもないわ、たわけ…」
それだけいって、ルキアも一護を抱きしめた。
濡れた胸倉に顔をうずめれば、一護の落ち着きを取り戻した心音が聞こえて、
それがまたさっきとは違った心地よさを与えてくれた。

「明日は晴れるといいな」
帰り道にふと、一護が口を開く。数歩先を歩いている彼の背中を、ルキアはふいと見つめた。
「別に雨も嫌いじゃねぇけど、やっぱ学校行く時に雨はめんどいわ」
振り向かないで、一護が続ける。どう返事をしていいかわからずに黙っていると、突然彼はがばっと後ろを向いた。
「返事くらいしろっつーの」
そしてぐいと手を引かれる。そのままのしのしと歩く彼が、ルキアはとても微笑ましかった。そして悲しかった。
手を離して、後ろから一護にしがみつく。抱きつく、というよりは、その言い方が正しいだろう。
「…ルキア…?」
立ち止まった一護が、腰に回された彼女の手をとって再び後ろを向こうとした。
「振り向くな」
顔を上げずにルキアが言う。見られたくなかったわけじゃない。
振り向いて体が離れてしまうその一瞬が、たまらなく怖いような気がした。
「…ルキア、…泣いてるのか?」
返事はしない。かわりに一言だけ述べる。
「貴様が好きだ」
一瞬驚いたような雰囲気の後、一護もそれに答えた。
「おれもお前が好きだ。…今は、それだけだ」
その言葉に、ルキアはまた涙腺を緩めてしまう。
(こいつは…、解っているのだな…。全部解っている上で、私を好くと言うのだな…)
いずれは尸魂界に帰るその身。いつまでもここにいるわけではない。――いられるはずがない。
この恋は実らない。絶対に。
だからこそ、距離が縮まれば縮まるほどに、ルキアは悲しかった。
いつか来る別れの喪失感を思っては、涙が止まらなかった。
自分が幸せになってはいけないことくらい判っている。
人殺しのこの身は、人に愛される資格がないことくらいわかっている。それでも、それでも―――
(海燕殿…。今だけは、今だけは貴方を忘れてもいいですか…?)
返事は、ない。ただ雨の止んだ闇夜が、黒く渦巻く雨雲を重たくたちこめさせていた。
星空は、見えなかった。



(完)