朽木ルキア大ブレイクの予感パート10 :  294氏 投稿日:2005/06/11(土) 13:12:27


『告白◇序章』


「キスなど挨拶みたいなものだ。」
かつて、そう言い放ったのは私であった。私は見掛けより随分年を重ねている。恋もキスも、性行為でさえも新鮮味が無い。
数十年、私の心を揺さぶる者は現れなかった。人の一年は死神にとっての十年間。

もともと性欲は人よりずっと弱いとはいえ存在する。その為、独身の者は年頃になると自分の心許す者をパートナーにする。
…まぁ、こちらの世界で云うセフレという奴に近い存在をつくるのだ。

私のソウル・ソサエティでの相手は恋次だった。幼い頃からずっと一緒で、気がついたら自然とそうなっていた。
辛く寂しい時は優しく抱いてくれた。
朽木家から逃げ出さずにやっていけたのは恋次がパートナーで居てくれたおかげなのだと思う。

本当の私は寂しがり屋で臆病者だ。
弱い自分を隠すために虚勢を張り強気な自分を演じ…それが、さも本当の性格かのように見せかける。
普段はそれでも大丈夫なのだ。しかし精神的に追いつめられるとアッという間に私の仮面は、ひび割れ壊れてしまう。
寂しい、悲しい、怖い…。

私の心の芯は本当に脆い。私はその度求めた。だから他の死神達より性交する回数が…多分ずっと多かった。
いつか恋次が言った言葉。
『なーんか、ルキアって人間っぽいよな』
私は苦笑し、恋次は冗談だ。と悪戯に微笑んだ。


(未完?)