金曜日の夜のことだった。
ルキアが一護の部屋の押し入れで読書をしていると、
外から一護と遊子のこんな会話が聞こえてきた。
『おにいちゃーん!お風呂一緒に入ろうよ!』
『あぁ?だからオマエいいかげん一人で入れって…』
(そうか…こやつらも兄妹であったな)
外が静かになると、ルキアは押し入れを出た。
どうやら一護は風呂より数学の宿題をとったらしい。
「なぜ一緒に入らぬのだ?」
「はっ?別に…入らねえだろ、フツー」
「私にも兄がいるのだが…ほぼ毎日一緒に入っていたぞ?」
「………」
ルキアは大まじめな顔をしている。
マジかよ…。一護は心の中で呟いた。
(なんて羨ま…って違う違う違う!)
「何だへんな顔をして…とにかく貴様はもっと兄妹間のスキンシップを大事にしろ」
(なんだ?死神ってそういうモンなのか?)
ここで、一護はいいことを思いついた。
「おい、聞いて…」
「じゃ、今日はオマエが俺の背中流せよ」
今度はルキアが驚く番だった。
「だ、駄目だ!兄妹でしかしてはならぬ決まりだと…兄様はそう仰っていたぞ!」
「………」
そうか…。一護は妙に納得していた。
別に死神の兄妹が皆一緒に風呂に入るわけではない。ただ…
(こいつの兄キが、シスコンなだけか…)
「ん?どうした?」
一護はルキアの肩を掴み、できるだけ真面目に言った。
「お前知らないのか?それ、人間界では週末だけ許されてんだよ」
「え…?そ、そうだったのか…」
軽くショックを受けているルキアに「常識だろ」とダメ押しをする。
「うむ…なら、まあ良いのか…」
(よっしゃ!)一護は心の中でガッツポーズをした。
朽木兄とは話が合うかもしれない…と思いながら。
痛くは無いか?」
「お…おう」
身体にバスタオルを一枚巻いただけのルキアが一生懸命に一護の背中を洗っている。
(ヤベェ…)
普段見られない二の腕、脚もかなり際どいところまで露出している。
白い肌に、細い脚に一護はすっかり興奮していた。
「よし、次は前だ」
ルキアは当たり前のように前に回り込み、一護の腰のタオルを取ろうとした。
「ちょーっちょちょちょっと待て!!何する気だお前!!」
慌ててルキアの手から逃れようとしたが、間に合わずにタオルを取られてしまった。
「ほぉ…やはりお前もそうか」
すっかり立ち上がった一護のモノをまじまじと見て、ルキアが感心したように言う。
「うるせーよ!見んな畜生!!」
「煩いな…一緒に入ろうと言ったのは貴様だろう」
そう言ってルキアは一護のそれに舌を這わせた。
(こいつの兄貴って…やばいんじゃねーの…?)
ルキアの舌がもたらす快感に酔いながら、一護はふと思ったのだった。
「ん…ふぅっ…」
ルキアがくぐもった声を漏らす。
軽く吸いながら、舌の先が裏スジをなぞっていく。
「くそっ…ヤベェ…」
経験の無い一護にも、ルキアの動作が相当慣れたものであることがわかった。
「…うっ!」
絶頂を迎えて、一護は勢いよくルキアの口に射精した。
「はぁっ、はぁ…」
ルキアの唇の端から飲み込みきれなかった精液が伝っている。
自分も荒い息を吐きながら、一護は余韻でぼんやりとしながら考えた。
ルキアの兄が妹にどういうことを吹き込んだのかは知らないが、
ここまできたら最後までヤッとくべきだろう。いや、男としてココで引き下がってはならない…と。
「ル…」
どうやって言い出そうか考えを巡らせていた時だった。
呼吸の落ち着いたルキアが、一護の股間を見つめながら独り言のように呟いた。
「兄様の方が、大きいな…」
……………。
「ん?どうした一護?」
「いや…もう出ようぜ…」
「そうか」
一護は決心した。
いつか、もしルキアの兄と会うことになったら。
なんでもいい。一つでいいから、何か勝とう…と。
(完)