朽木ルキア大ブレイクの予感パート5 : 686 投稿日:03/10/24 01:10


「……………寒い。」
寒気にゾクッとし、ルキアは思わず身震いした。

夜も更け、ルキアがそろそろ床に着こうという頃、義兄の白哉から、部屋で待っているように、との使いがあった。
その為、こうして白哉の部屋で半時ほど待った気もするのだが、一向に人の来る気配は無い。
もっとも、初めて入った義兄の部屋で一人で待つ身としては、実際の時間の流れなど分かるはずもなく、ただただ緊張していた。
部屋を見渡すと、あるものといえば、隅に寄せられている文机や行灯、そして部屋の中央に広い布団。
湯浴みで温まった身体が冷えきってしまっているのは、気温の低さだけではなく、過度に緊張しているこの状態もあるだろう。
すっかり眠気も覚めてしまった。

義兄がどういうつもりでこのような時間に自分を呼んだのかは、全く見当のつかないことも無かったが、沸き起こる不安な考えをしきりに振り払う。
今は布団の横でじっと正座して待つしかない。

朽木家に引き取られてからというもの、家族とは名ばかりで、広い屋敷の中に居るとも居ないとも気配でしか分からぬような同居人たちと暮らす毎日だった。
新しい生活には次第に慣れてきた頃ではあるが、いかに気丈なルキアでも、夜になると、以前の生活を思い、寂しさで心が締め付けられる。

……ゾクっ

次にルキアが寒気を感じたのは、冷えた身体のせいだけでは無かった。
つらつらと昔の思い出にふけっていると、気がつけば義兄が部屋の戸を開け、ルキアのすぐ後ろに立っていたのだ。
「兄様?今夜は急にどうなされたのですか?」
白哉はルキアの問いには答えなかった。
振り返り白哉を仰ぎ見たルキアの頬に片手を当て、そのまま膝をついてゆっくりと口付けた。
ルキア自身が寒さで冷え切っているからなのか、義兄の手も、唇も、とても熱く感じる。

「ど、どうなされましたか!?」
相変わらず何も言わない義兄にそのまま抱き上げられ、すぐ横の布団の上に降ろされる。
覆い被されるように身体を重ねられ、身動きが取れない。

「すっかり冷えてしまったのだな」
白哉はそう言いながら、すっと頬から首、肩へと手を滑らせる。
冷たい陶器のような肌の感触を確かめるかのように、ゆっくりと。
「あっ…ぁ」
ルキアの寒さで痺れていた手足に、別の痺れが走り、思わず声が漏れてしまう。
しかし驚き目を見開いたまま、多少身を捩ってこの状況から脱しようとはするものの、身体に力が入らず、結局はただ義兄のなすがままに。

遠のきつつある意識を、意思の力で必死に繋ぎ留める。
「……ぁ、兄…様……、お…お戯れはっ、おやめ下さいっ」
やっとの思いで振り絞るように声を出した。
白哉の手がふっと止まった隙に、身体を捩り、何とかこの状態から脱しようとする。
……しかし身体の大きさや、力の強さなどは歴然としており、また、射すくめられるような視線のために、全く身動きは取れない。
ただ目を見開き、身体全体を強張らせ、義兄の顔を見つめるしかできない。
白い顔から血の気が引き、消え入りそうな心地だが、それでも、大きな瞳に力を込める。

白哉もまた、ルキアをじっと見つめたまま動かない。
黙っていると非常に冷たい印象を受ける義兄だが、こうしてまじまじと見つめていると冷たい印象を際立たせている目に、深く悲しい陰が宿っているのが見える。
それは自分をじっと見つめているようにも見えるが、本当に自分が見えているのかは分からない。
遥か彼方をじっと見つめたまま考え込んでいるような目だ。
非常に分かりやすい性質の恋次と比べ、義兄は日頃から感情を表に出さない訓練をしているのか、また元来の性格からか、考えていることが全く読み取れない。
「兄様…?」
黙ったまま言葉の無い義兄と見詰め合う、この重苦しい雰囲気を少しでもどうにかしたくて、思い切って口を開く。

「お前は、私のことは嫌いか?」
………一体、この方はどうしたのだ?
今度はルキアが黙る番だった。
恐怖心ばかりが先に立ち、返事をする余裕も無かったのだが、しかし、こうして面と向かい合ってまじまじと見つめているうちに、ルキア自身も多少落ち着いてきたのか、
義兄から「何か」を感じ取っていた。
……しかし、まだそれがどういうものかは見当がつかない。
ゆっくり口を開く。
「……あ、兄様を、す、好きだとか嫌いだとか、そんなことは考えてみたこともありません…。でも、朽木家に来られたことを、心から、…感謝しています。」
「感謝、か。…そうか。それは良かった。」

何がどう良いのかさっぱりルキアには分からない。……困った。
なぜか一瞬胸が締め付けられるような気持ちになる。
直視できずにふと目をそらすほんの一瞬のうちに、白哉が今度は息も出来ないほどに抱きしめる。
呼吸をするのが精一杯だ。
「………ぁ、…苦…し…ぃ……。」
搾り出した声に、白哉の手が緩んだ。
背中側から肩に回されていた義兄の片手が、首筋をなぞり襟口から滑り込み、肩に直接触れる。
何故か今度は、抵抗しなくては、という気にはなれなかった。
直接触れる指先・足先や、寝巻き越しに感じる義兄の体温を、こんなに熱いものなのか、また、激しく脈打つ自分の鼓動が聞こえてはいないだろうか、と、
なぜかそのように悠長なことを思いながら、そのまま。
寝巻きから白い肩がはだけ、冷たい外気にさらされる。
一瞬寒さのためにゾクりとするが、白哉の手が触れ、また、ゾクりとする。
いつの間にか、もう片方の手が片手がルキアの寝巻きの腰紐にかかり、しゅるりと解かれた。
「……ぅ、んっ…。あっ……兄様………?」
「お前が、案ずることは無い。」
少し状態を起こし、白哉が言う。

じっと義兄に見つめられ、見つめ返し、ルキアの呼吸が一瞬止まった。
その隙にまた、激しく口を吸われる。
「………ぅ」
思わず目を閉じ、顔をそむけようとするが、頭を抱えられるように腕が伸びている為に、動けない。
(やっぱり………怖い………っ)
緊張で強張った口をぐっと結んだまま耐える。
身体を捩って何とか逃れようとするが、顕わになった肩から、寝巻きを更に滑り落とすばかり。
義兄の手が、つ、とルキアの肩から、まだささやかな胸の膨らみへと滑り、小さな先端に触れる。
「…はぁ……っ!」
思わず、固く閉じていた口を開いてしまう。
息つく暇も無く、義兄の舌が割って入り、口内を蹂躙する。
(や……ぁ………駄目…………!)
膝を割って入ってこようとする義兄の膝を避けようと、片膝を交差させるように重ねようとする。
が、これも寝巻きの足元がはだけて、結果として腿までが露出することになる。
既に、寝巻きは身体を覆う役割を果さず、まとわりつくだけの只の布。
むしろ、肩から落ちる袖が背中側から腕を固定し、自由を奪われている。

この信じがたい状況を、今はただ耐えて過ぎるのを待つしかできない。
助けなど呼べるはずもない、・・・また呼んだところで何の役に立つだろう?
やっとの思いで、すがるように義兄の片方の袖口をつかんで、耐える。

周囲はすっかり人払いされているらしく、誰か居るような気配は無い。
たとえ人が居たとしても、今はこの圧倒的な義兄の霊力によって周囲の者の気配など、感じている余裕はルキアには無いだろうが。

白哉のもう片方の手が下へと伸び、ルキアの堅く重ねる膝頭を、円を描くように撫でる。
そのまま次第に腿の付け根の方へと手を滑らせてゆく。
「…………ぅっ……んんっ!」
苦しそうにルキアが呻き身を捩る。と、やっと白哉の口が離れる。
肩で息をするルキアに構うことなく、そのままルキアの胸の先端に舌を這わす。
「あぁ……ぁ、いゃ………っ!」
一瞬意識が途切れ、足の力が緩む。
膝の間を割って、白哉の片足が入り込んだ。
閉じられなくなった膝の間から、白哉の手が腿の付け根へと伸びる。
ぬらぬらと滴るような液を中指で掬い上げ、そのまま、くちゅりと指先を差し込む。
「やっ………やぁ……っ!」
びくりと身体を仰け反らせ、気持ちが悪いばかりでない、この奇妙な感覚に驚く。
「きついな。初めてか?」
「…………。」
ルキアはただ、こぼれそうな涙を浮かべたまま強張っている。
「そうか、それはすまなかったな。」
いつもの冷たさを感じさせる口調で、そう言うと、白哉はそのまましばらく指で周囲を撫でるように、また浅く内部を掻き回すようにしてルキアの反応を楽しんだ。
「…あっ…あっ………あっ………ああっ!」


(未完)