朽木ルキア大ブレイクの予感パート5 :  小説書いた人氏 投稿日:03/10/06 03:25


『イチ→ルキ小話』


頭の中で反芻される記憶。彼女のしぐさ。
――言葉。
そう、言葉だ。たわいもない、二言、三言のそれ。
それが……、頭の中から離れない。忌まわしくとぐろを巻いて絡みつく。
――心が、毒に侵されてゆく。


ある日の夕方。一護がベットの上でごろごろしながら本を読んでいると、外から窓が開かれ、そこから一人の少女――ルキアが入ってきた。
すでに私服に着替えている。
「遅かったな」
「すまぬ。体育の授業で汗をかいたのが気持ち悪くて、学校帰りに浦原のところに湯浴みによったのだ」
荷物を部屋に置きながら話すルキアをわざと見ないで、一護はぼそりと言った。
「なんで謝んだよ」
「え…?」
「なんでテメーの帰りが遅くて俺に謝るんだよ」
「いや…、虚が何時出るかわからぬのに、そばを離れるのは悪いと思って…」
戸惑いながらそう言い返すルキア。見ると、心持不安そうにこちらを見返す。
そのしぐさにさえ、一護は苛立ちを覚えた。あっそ、とだけ返事をして再び本を読む。――読むフリをする。
一護の変化に、ルキアは気づいていなかった。普段から彼がそっけない返事を返すのはいつもの事だ。
それでこの会話は終ったと思い、押入れを空けて荷物を整理し始める。
その後姿を盗み見しながら、一護は数日前の夜の情事になされた会話――
もう頭の中で、何度も何度も呪いのように思い出してしまうそれ――を、今一度脳裏に蘇らせた。

その夜情事を終えた後、ルキアは自分の前をタオルケットで隠しながら、壁にもたれかかって窓の外を眺めていた。
そのどことなく物憂げな表情が気にかかり、一護は彼女の頭をくしゃりと撫でる。
「…なんだ、まだ起きていたのか。早く眠らぬと明日の学校に遅れるぞ」
「それはてめーもだろ」
「…そうだな」
言ってくすりと笑うルキアにつられて笑いながら、一護も座って彼女を抱き寄せる。
自分の肩から前方へと置かれている彼の腕を弄びながら、ルキアはふと一護に問うた。
「貴様は、過去に女がいたり女と通じたりしたのか?」
その問いに一護は目をぱちくりとさせ、そして苦笑した。
「いや、いねえよ」
苦笑したのはその返事の所為ではなく――、十五年という自分の過去の短さに、だ。
自分より何倍も生きている目の前の少女が自分にそんな事を聞くのは、どことなく間の抜けた感を覚えた。
――まあ、そんな事はどうでもいい。問題は次だった。
「ルキアはいたのかよ?男」
それは返事を想定していた問いだった。――つまり、あいさつのようなものだ。
言われて、言い返す。問われて、問い返す。それで終る。……はずだった。
答えは予想外だった。例の物憂げな表情で彼女は言った。
「いたよ。―――通じた男なら。」
そして冷ややかに、しかしとても寂しげに、彼女は笑った。
へぇ、とだけ返事をした。否、それしかできなかった。

正直、一護は自分がルキアに対して特別な感情を抱いているのかどうか解らなかった。
彼女はクラスの男子から慕われ、何度も告白を受けたりしていたようだったが、それで一護が気分を害したような事はなかった。
もうずっと前から、彼女は押入れで眠る事がなかった。初夏であるというのに、行為をしようがしまいが二人は何時も同じベットで寝た。
しかしそれは一護にとって恋愛感情故のものではなかった。
偶然手に入った女の柔らかさと熱が心地よくて、いつも手近においていたかっただけだ。
同じ部屋に男と女がいて、昼夜いっしょに時を過ごす。雪山で遭難して山小屋に閉じ込められた男女のようなものだ。きっかけさえあれば、後は手間取る事もない。
最初に彼女を抱いた時、自分が彼女を好きだから抱いたと、一護は到底思えなかった。
ルキアも特に何も言わずに身を預けてきた。彼女自身から誘うようなことはなかったが、一護を拒みもせず、寝る時はいつもベットに入ってきた。
お互い干渉することなく体を寄せ合う。――そんな関係であり、それが続くと思っていた。しかし……。
ルキアが昔男と通じたことを明言してから、一護の心は少しずつ乱されていった。
好きじゃない。そう思っていたのに、学校でも、家でも、とにかく彼女のあとを視線が追った。
ルキアを抱くのも、何処となく気が引けた。そういえば彼女は果てる時、一護の名前を呼んだことはなかった。
最中に注意深く彼女を観察していると、時々彼女は自分とは違う誰かを見ているような気がした。
そして聞いてしまった。小さな小さな彼女の声。注意して聞いていなかったら、きっと快楽の悲鳴と間違えていただろう。
「……!」
一護の知らない、男の名前だった。

彼女が自分を好きではないことくらい、解っていたはずだった。
自分だって、彼女を好きなはずではなかった。――なかったのに。
目の前にいる少女は、あの日以来一護の平常心をかき乱している。彼の五臓六腑にまで毒を撒き散らし、憎悪を抱かせた。――彼女のたった一言が。
イライラする。どうしようもなく…
(イライラするんだよ…!!)
彼はベットから立ち上がり、制服をたたんでいるルキアに近づいた。
背後に人の気配を感じ、ふいとルキアが振り返る。その遠心力でゆれた細い腕を乱暴に捕まえて、一護はルキアに口付けた。
「!!?」
ルキアが驚愕といった表情を浮かべる。あまりに突然の事だったので不意を突かれ、舌の進入を簡単に許してしまった。
「ん……!!んむ……、ふう…っ…!む…ぅ…!!」
それは今までに経験した事のない、乱暴な口付け。
激しく舌を絡められ、喉の奥にまで届きそうなくらい突っ込まれ、歯茎を押し付けるように舐めまわされる。そして、噛まれる。
舌を容赦なくかまれ、歯がガチガチ音を立ててぶつかる。歯茎が傷つけられる。
驚いて唇を離そうとすると、今度はその唇をがぶりと噛まれた。
やっと一護がルキアを離せば、彼女の唇に小さな血痕が滲む。
お互い息が上がっている。口の周りは唾液でベトベトだ。
そうして一護が顔をあげようとした瞬間。
ルキアの平手打ちが一護の顔に炸裂した。

パァン…!!と弾けるような音がして、一護が思わずたたらを踏む。
「…なにをする…!!!」
顔を赤くして、目に涙さえ浮かべてそう吐き出すルキアの声を、一護はどこか遠くで聞いているような気がした。
返事はしない。する必要などない。何を言っても無駄だ。
(俺の気持ちはおまえにはわかんねぇよ…)
胸中でそう自嘲する。誰が言えようか。今更おまえが好きだと。
明確な他の男の存在を知る事で、初めて気づいた自分の気持ち。
今までは、彼女が他の男に気のあるそぶりを見せなかったから平気でいられたのかもしれない。
本当は心のどこかで自分は特別だと、そう思う傲慢な気持ちがあったのかもしれない。
いつからこんなに好きになってしまったんだろう。――本当は最初に抱いた時から?
自分自身の気持ちに鈍感な自分に腹がたった。
他の男の思いを捨てきれないルキアに、腹が立った。
これはそう、嫉妬だ……。
やり場のない重い気持ちを腹のそこに抱えながら、一護は怒りに震えるルキアを見つめた。
乱れた髪の隙間から見える気高い瞳が、一護の征服欲をそそる。
有無も言わさず抱きあげて、じたばたと抵抗する彼女をベットに投げおいた。はずみで彼女の青白い足が露になる。
その足を足首から太ももまでつとなで上げて、一護は笑った。
「やるんだったら床よりこっちの方がイイだろ」
ルキアの肩が、少しだけ震えた。

「やめろ一護!まだ外が明るい…!それに、なんだかこんなのは嫌だ…!」
逃げられないように彼女の体の上に座っている一護を見上げながら、ルキアは必死で抵抗する。
当の本人は風呂にでも入るかのように、手際よく黒のTシャツを脱ぎ捨てた。
そしてルキアに顔を近づけ、桜色の唇を親指で優しくふちどる。
「てめぇのことなんか、俺の知ったこっちゃねーよ…」
それを聞いたルキアは、唇をわなつかせて一護をにらみつけた。
「俺は今気が立ってんだ。今、おまえを抱く。」
「そんな手前勝手な…、一方的な理由で私を抱くのか…!」
「じゃあ聞くが、俺たちは今までどういう理由で抱き合ってきたんだよ!」
思わず声を荒げる。ルキアは動揺の面持で彼を見つめた。
ここで自分が怒る権利などないと解っていても、彼の喉を掻き毟るような腹立たしさはとどまるところを知らなかった。
「元々恋やら愛やらで始ったわけじゃねえ。俺は純粋に性欲と興味本位だ」
本当の気持ちは、怖くて言えない。
そして固まっているルキアの頬をそっと撫でる。
「おまえはさしずめ――…」
これも最後まで言えない。言ったら彼女を傷つけるだろうし、それ以上に自分が傷つきそうで、言えなかった。
「とにかく、抵抗したって無駄だぜ?今のおまえじゃ俺にはかなわねーよ」
本当は激しく抵抗して欲しかった。殴って蹴ってひっぱたいて、自分から逃げて欲しかった。
本当は激しく抵抗して欲しかった。嫌がる彼女を壊してしまいたかった。
「それでも嫌だ……!やはりこういうのは性に合わない…!!」
そう言って一護を押しのけようとするルキアの両腕を、彼は片手で捕えて彼女の頭上で押さえつけた。
「痛ッ……、」
小さな彼女の悲鳴が、一護を少し昂ぶらせた。

もう片方の手で、体を動かして抵抗するルキアの薄いブルーのワンピースを一気に首元までたくし上げた。羞恥で彼女の顔が朱色に染まる。
「嫌だ一護…!見るな…!明るいのは嫌だ!……!…ん…!」
一護がルキアの未発達な乳房の頂点に舌を這わすと、途端に彼女は小さく喘いだ。
「嫌なんだろ…?」
挑発しながら乳房を大きく揉みしだき、乳首を舌先でつつく。
「っ…、…ん…、一護、や…めろ……!」
体のどこかに触れるたび、ルキアは自身を細かく震えさせる。羞恥に耐えながら感じている彼女の姿は、いつも以上にいやらしい感じがした。
そういえば彼女の体を明るいところで見るのは初めてだった。彼女はいつも暗がりを好んだ。
薄い上半身の両側にある淡い桃色の突起したそれが、夕日に染まって美しい。きれいだ、と素直に感じる。
そして小鹿のように細く滑らかなその体を――壊してやりたい。そう思った。
「やめろ、一護…!今日はもう離してくれ…!」
「いやだって、言ってんだろ…」
言って乳房をきつくしぼり、その乳首にがりりと噛み付く。
「!!痛あぁ…っ…!!!もう、いやだ……!!」
涙を流しながら呟くルキア。
彼女が嫌がれば嫌がるほど、一護の胸の中は罪悪感でいっぱいになる。
――しかし、その罪悪感と正比例して感じてしまう残虐的な満足感に、彼は戸惑いと、それ以上の快感を覚えた。
どうしよう。俺は、狂っている――?

彼女の弱い部分の一つ――それくらいはもう大体解っている――わき腹を指でなぞり、一護は胸の下から下腹部まで丁寧に舐めあげた。
「っ……!……く、ぅ…!」
次第に抵抗の意を見せなくなったので、彼女の両腕の戒めは解いてしまった。しかし――彼女は声を上げない。
何処に触れても低くうなるだけだ。まるでそれが抵抗の印だといわんばかりに。
思わず笑みがこぼれる。あえて自分を拒絶し続ける彼女を、一護はとてもいとおしく思った。
そして――鳴かせてみたくなる。
一護は無防備だったルキアの両足をがばと開いた。
「!!何をする!!」
急いで起き上がろうとしたルキアの上半身をふくらはぎで押さえつけ、下着をむしりとる。
そのまま彼女の両足を高くかかげて、股ぐらがよく見えるようにした。手を離すと彼女の頭と膝がつきそうになる。
「やだ―――!見るなぁ……!!」
そうはいかない。薄い陰毛を掻き分け、まだあまり濡れていない花弁を指で左右にぴっと開く。中まで丸見えだ。
「嫌……!!」
顔を真っ赤にし、涙をぼろぼろとこぼしながらルキアが呻く。
「ルキア…」
陰唇の形を指でふち取りながら、一護はわざと優しく囁いた。
「俺、女のココ、生で見たの初めてだ…。いやらしいんだな…。なんっつの?肉ヒダがすげえぎゅうぎゅうに…」
「言うなッ!!」
恥辱に全身を震わせながら、ルキアが大声で一護の声をさえぎった。
「でも、気持ちいいだろ?」
言いながら花びらを捏ねくり回す。
「っ……、ん、…っく…!」
それでも降参しない彼女に、一護はふうとため息をついた。
「強情だな、てめぇも。」
「っ!あ…!あぁ…ん…!!」
まだ突起していない先端をぎゅうと抓ると、とたんにルキアが大きく鳴いた。

一度快楽の悲鳴をあげると歯止めがきかない。一護が刺激を与える度に、ルキアは激しく官能の声を上げた。
「あ…、ふあ…!あっ…、いちご…!!…だめぇ…!」
「声、やっとだしたな」
ルキアの両足をベットに下ろして、一護が満足げに呟く。
そしてジッパーをおろし、中から硬く屹立した彼自身を取り出した。
「ちょ…、ちょっと待て…」
もう何度も見てきたその光景に嫌な予感を覚えながら、ルキアはおそるおそる、言葉をつむいだ。
「私はまだ――…」
言葉は途中でさえぎられる。ルキアは有無を言わさずベットに押し付けられた。
一瞬、彼と目が合う。そして驚いた。
自分にこんなにひどい仕打ちをしている目の前の男の表情は、あまりにも自分の想像していた悪鬼のようなそれとは異なっていた。
まるで、膝を擦りむいた子供が痛みを必死に我慢しているかのような、泣き出しそうな顔。
「い…ちご…?」
何かを思う暇もなく。――体を一気に貫かれた。
「いやああああぁぁっ!!!」
痛々しい悲鳴が部屋中に大きく響き渡る。案の定、ルキアの体を激しい痛みが襲った。
眉を歪ませながら、一護はルキアを見やる。紅潮した顔を引き攣らせて、泣きながら肩で息をついている。
――無理やり入れたのだ。彼女の準備はまだ出来ていなかった。
ルキアが苦しめば苦しむほど、一護は彼女に激しく欲情した。自分の中心が更に熱くなるのを感じながら、勢いよく腰を打ちつける。
「痛ああっ!一護っ!ああっ…!動かすな…!いや…!いやだぁ…っ…!!」
自分の泣きじゃくる声が一護を昂ぶらせるとも知らずに、ルキアは一層激しく悲鳴をあげた。

滑りの悪いルキアの中で、それでも一護は夢中で腰を振った。
とにかく早くいってしまいたかった。ルキアを、犯してしまいたかった。
「い…やぁ…っ、痛ッ…!!も、…やめ…!いちごぉ……!!」
泣きながらルキアが訴える。
「どうして…、なぜ、こんなことを……!!」
(解らねえかよ…!)
こんなに腹立たしくて、嫉妬して、歯がゆい思いを、一護は経験した事がなかった。
これほどひどく乱暴にして、ルキアが自分の気持ちに気づくなんて絶対にあり得ない。
言葉にも出さない本心を読んで欲しいなど、何て手前勝手な思いだろう。それでも彼は気づいて欲しかった。自分の、本当の気持ちを。
泣くように笑ったルキア。彼女はまだ吹っ切れていない。解っている。
解っているけど――。
(俺は――…!)
何か言おうとして、でも言えない。腰を動かすのを止めて、頭を垂れる。
苦しそうな表情の彼女の頬を、そっと撫でた。
「一護…?」
怪訝そうに一護を見やる。止めてくれるのか、という期待の表情を交えながら。
つい数日前までは、彼女はただの他人だった。知る必要もない、異界からの来訪者。
それが――まさか、こんなことになるなんて。
細い指も、黒い髪も、偉そうなそぶりも怒った表情も、全て。彼女の全てが腹立たしいくらい、いとおしかった。
一護はルキアを見返しながら、彼女の肉芽に指を這わせた。
「あ……っ…!いち、ご……!」
親指で、円を描くようにして強く押さえつける。
「ふ…、ああぁんっ…!!あん!ひ…、あぁ…!!いや…!一護ぉ…!!」
「嫌じゃ、ねえだろ…」
一護の刺激によってぷくりと腫れあがったそれを、彼は爪先で優しく擦った。
「あは…ん!ぁ…ん…!ふ…ぅう…ん…っ…!!」
快楽に顔を染めながら、目を見開いてルキアが喘いだ。

ルキアの泉が次第に溢れ出てくるのがわかる。彼女の体液は彼女の蜜壷に収まっている一護自身を濡らし、そのうちねっとりと絡みついた。
「おまえ…、嫌がってる割にはすげぇ濡れてる…」
結合部を濡らし、更に溢れて彼女自身の内股を濡らすそれ。一護は大きく嘆息した。
「あーあ、どう言い訳してこれを洗濯に出せばいんだろなぁ…」
わざとらしくそう言うと、ルキアは悔しそうに一護を睨みつけた。そのしぐさが、またかわいい。
ルキアの愛液を指で掬い取り、一護はそのままそれをルキアに見せ付けるように舐めた。
顔を赤くして、ルキアが一護から目を逸らす。一護は何となく、優越感を感じた。
再び腰を動かす。今度はぐちゅぐちゅと卑猥な音が響き渡る。
「痛くねえだろ…」
「あ…、ん…、あっ、あん…!ぅん…、あん!…あん!!ふあはん…っ…!!」
一護の質問には答えずに、彼女は首を左右に振りながら快感の悲鳴を高くあげる。そんなルキアに彼は思わず苦笑した。
――そうだ。これがルキアなんだよな…。なんとなく、うれしくなる。
「痛くねんだろ…?気持ちいいんだろ…?なんとか言えよ、ルキア…」
「ひ…ぁあん…!ぅう…、はぁ…!あん…!はう…ん…!!」
あくまでも、彼女は答えない。
そんなルキアの様子を見て、一護はふと思いついたように体勢を替えて彼女を上にした。ルキアが訝しげに一護を見下ろす。
「…欲しいんだろ、俺が。自分で動けよ…」
意地悪く、囁く。
意図を察したルキアは屈辱に顔を歪ませながら――しかし言われたとおりに、恐る恐る腰を上下させた。
最初はゆっくり、次第に……速く。

ルキアの中は狭くて心地よい。肉壁が両側から一護に迫り、中へ中へと彼をいざなう。彼女の白い尻を両手で鷲掴みながら、一護はその快感に体を震わせた。
「ルキア…!もっと…動いてくれ…!」
ふいに、それまで狂ったように悶えていたルキアが、途絶え途絶えに言葉を吐き出した。
「貴様なんか…嫌いだ…!あ…っ…!!んん…!きさまな、んか、大嫌いだ…!!」
見るとルキアは赤く潤んだ目に怒りを宿しながら、快感と憤怒の表情でこちらを睨みつけていた。
一護はそれを、どうしても綺麗だと思ってしまう。こんな彼女は、はじめて見た。
「貴様なんか大嫌いだぁ…!」
「…望むところだ…!」
それだけ言って、一護は下から激しく彼女を突き上げる。脳天まで迫り来る快楽に、ルキアはいっそう妖しく鳴いた。
――嫌いならそれでいい。何も思われてないよりか、そっちの方がよっぽどいい。
現に一護は感じていた。ルキアは確かに今、俺を見ている。他の誰を重ねるでもなく、今、俺に抱かれている――。
歪んだ満足感が一護を一層激しく動かす。それに正比例するかのように、ルキアが一層声を上げる…。

(もうすぐ…、もうすぐ…!)
お互い絶頂が近づいてきているのを、頭の隅で感じ取っていた。
「ルキア……!!」
「はあ…!ああ…んっ!ああん…っ!!だっ、大嫌いだ…ッ…!貴様なんて大っきら、イ…!あ…ああん…!!あっ、あっ、あああん……!!!」
背中を大きく仰け反らせ、体を細かく震わせながら、ルキアは一気に頂点に達した。同時に一護も自身を急激に締め付けられ、あっというまに飛んでしまう。
がくりと崩れ落ちるルキアをしっかりと抱きしめながら、一護は彼女の耳元でうわ言のように囁いた。
「俺も…、おまえが大嫌いだ…」
――抱けば抱くほど感じる距離。繋がれば繋がるほど繋がらない気持ち。一体何処で何を間違えたのか、――そもそも出会った事自体、間違いなのか。
恍惚に痺れる脳の隅で、ふと考えたそれに一護は思わず苦笑する。
――いっそ殺してしまえばいい。そしたら全部俺のもんだ――
なんてありきたりな思考回路。でもそれくらい惚れている。…この女に。
彼女の名前を呼んだ。何度も何度も、その存在を確かめるかのように。返事はない。しかし彼女は強く抱きしめてくれる。こんなに虐めてしまったのに。
何故か泣きたくなって、思わず目を閉じる。するとルキアの体温を一層感じた。この気持ちを、どうしよう?
――おまえが、好きだ――

声は絶対届かないと判っているのに。


(完)