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朽木ルキア大ブレイクの予感パート6 :  548氏 投稿日:04/02/11 23:55

※単体でも読めますが続編です。前編はこちら


凍月


漆黒の闇に輝く清冽な光
兄様は私にとって神にも等しい存在だった・・・

六番隊隊舎の隊舎牢は人気も無く静まり返っている。
私の脳裡から一護の姿が消えることはない・・・
雨の降りしきる歩道に、赤い血が流れる
倒れ伏す一護をそのままに、私はこちらへ戻って来た・・・
一護
大丈夫だろうか、一護!
ああ浦原・・・一護を助けてくれ
お願いだ
お願いだ・・・!

廊下の向こうから、なんだか明るい気がやってくる。
軽い足音が近づいて来た

「よ、四番隊第十四班!や、山田花太郎であります!隊舎牢内の清掃に参りました!
ル、ルキア様、入ってよろしいでありますか!」
ルキアは微かに微笑む。

手の届かない上の方に鉄格子のはまった窓がある
固い椅子に腰掛けたまま、夜の空を見上げる
オレンジ色の髪、つねに眉間に寄せられた皺、乱暴な口調
そしてその中に隠された、優しい心
一護、すまない・・・だがお前に出会えて良かった
生きてくれ、そして幸せになってくれ
お前を愛し、お前が愛する女を見つけて・・・
つっと涙がつたう。
あの夜、一瞬の熱い触れ合い
こわばった顔をした一護に何度も突かれた・・・
ルキアの身体の中心に、甘い痺れが甦ってくる・・・

「ルキア様、あ、いや、ルキアさん、あのー顔色が悪いですよ?寝てらっしゃらないんじゃないですか?」
「ありがとう、大丈夫だ、花太郎」
「だめですよ!ちゃんと寝なくちゃ。病気になってしまいます」
「ああ、ちゃんと寝るよ・・・」

冴え冴えとした月が孤高の光を放ち夜空に在った。
ルキアの白い横顔にまつげが長い影をおとす。

ここは何処だろう・・・
雪原が続き、その向こうに樹氷の森、青白く透明で静寂が辺りを支配していた
月が輝いている
その下に白哉が立っていた
白哉兄様・・・
不意に激しい寒さに身体中が震え上がった
すぐ近くに白哉がいる、表情の無い端整な顔立ち
だが凄まじい霊圧に動きを押え込まれた
「兄様・・・」
呼びかけた瞬間
バシイィィィィン
激しく打ちのめされ身体が弾き飛ばされた
「?!」
白哉は微動だにせず、静かにそこに立っている。が!
バシイィィィィン
鋭い音と共に痛みが走り、息が詰まる
霊圧の塊が鋭い鞭のようになり、見えない力が、それを打ち振るう
バシイィィィィン・・・バシイィィィィン・・・バシイィィィィン
悲鳴がもれる。身体を庇うすべも無い。
「兄様・・・兄様、やめて下さい・・・」
打たれる度に身体が撥ね、激痛に焼かれるようだ

「ああ!」
小さくあげた声と共にルキアは寝床の上に飛び起きた。
白々と夜が明け始めている。
夢?
身じろぎした途端、痛みが走った。
愕然として身体を見る
何の変化も無い、小さな痣一つ出来ていなかった。
ただ痛みだけがずきずきと身体を支配していた・・・。

私にとって兄様は神にも等しい存在だった
誰よりも強く、誰よりも美しく、あたりを薙ぎ払うような輝き
私は兄様の妹という立場になれた事を誇りに思った
けれど、朽木家の養子になり、兄様の傍で暮らし始めるようになっても、
私は兄様とほとんど顔を合わせる事が無い
護廷十三隊の仕事に朽木家の養子としての修養、
たまに姿を見かける事が在っても
兄様は私に声をかけず、こちらを見る事さえない
たった一つの例外を除いては・・・

兄様は私に強くなる事を求めた
私が修行をすれば、兄様は見ていて下さる
優しい言葉のひとつも貰えなくても、ただその事だけのために、私は鍛練に励んだ
私は、小犬のようだった
ルキアと呼ばれれば嬉々として走って行く
尻尾を振って命令を聞き
御褒美が貰えるかと目で訴える
何度、冷たい言葉に打ちのめされても・・・

昼の間は一護と過ごした二月の記憶が私を支える
だが夜になると
いやだ・・・眠りたくない
あのような夢はもう見たくない・・・!

桜が咲いていた
巨大な幹の上に凶々しいほど見事な満開の桜が
月の光に照らされ、夜の闇に浮かび上がっていた

兄様が立っている。花びらが舞うその下に
兄様の肩布がふわりと宙を舞う
はっと思った時には目を覆われていた
首に布が巻き付いてきてぎりっぎりっと締めつける
「うっ・・・うっ・・・うっ・・・」
両手両足にも布が絡み、四方へ
容赦無い力で引き絞る
痛い!身体が裂ける!裂ける!兄様っ!!
ふっと布が緩み地面に投げ出された
よろめく足で立ちあがる
「兄様・・・!」
兄様の周りでざーっと風が起こり狂ったように桜が乱舞する
次の瞬間、それは千もの小さな氷の刃に変り
血飛沫を上げて私の身体を切り刻んだ

「ルキアさん、この所眠ってないんじゃないですか?本当に顔色が青いですよ?」
「眠ったつもりはないのだが、気がつくと朝だ。・・・たぶん寝ているのだろう・・・」
「そう・・・ですか、そうだあのー聞いてもいいですか?僕、まだ行った事が無いんです。現世ってどんな所ですか?」
ルキアは少し明るい顔をした。
「そうだな・・・現世には・・・

暗い・・・何も見えない・・・冷たい土の上で素足が凍える。
(愚かな・・・)
頭の中に兄様の声が聞こえた
(なぜ下賎な人間などに自ら力を手渡すような真似を・・・)
見えない力で押え込まれ地面に膝をつかせられ
(お前は自身の事が何も分かっておらぬ・・・)
更に頭を押え込まれ、土に顔が擦り付けられる
強大な力に身動きが出来ず、息が苦しい、頬の下でジャリッと石が音を立てる
「あなたは兄様なんかじゃない、兄様は私にこんな事などしない!」
(そうかな?)
その声に私は脅える
「やめて・・・・・・」
懇願する、声が震えた
(お前は何も分かっておらぬ・・・)
冷たい炎のような感触が下腹部を刺し貫いた
「ああああああーーーーーっ!」
激痛に耐えられない悲鳴を上げる
(なぜ、私から離れたのだ、ルキア!)
あまりの事に泣き声をあげ、痛みから逃れようと身を捩っても、押さえつける力は揺るがない

局員の帰って、明かりの落された技術開発局の一室に
ひそひそ声で囁き会う二人の男。
「何ですかーこんな夜更けに付き合えだなんてェ?」
「まぁ飲め、酒の肴に面白い話をしてやる」
「肴〜?肴はこれでじゅうぶんでしょオ〜?」
男が目をやる傍らには、台の上に横たわる、ルキアの義骸の白い肢体があった
「フフ、まあまさにコレの話だ。お前、コレのここん所見たか?」
「エ?いや・・・おほっひょオ〜こりゃぁスゲエ、何ですかコレは」
「これはナお前、大変な代物だ。コレに入ると人間になれる」
「そりゃ、義骸何だから当然でしょオ」
「良く聞けよ、俺は人間に見えると言った訳じゃない、人間になれると言ったんだ」
「ま、まさか・・・」
「人間達とまったく変らなく生活し、・・・人の子さえも産める」
「・・・そんなおそろしい・・・」
「そうさ、神をも畏れぬ所業さね」
「・・・・・・」
男は義骸を覗き込む
「はァ〜それにしてもまったく、きれいな義骸ですねェ」
そーっと撫で上げて
「これで、そそられない男があるかヨ」
「少し小さいがナ」
「いやいやそれがまた乙ってね」
「フフ、妙な気起こすなよ・・・、フ、でもまあ、使っても分からないかも・・・ナ」
「何ですって」
「クックッこれはナ・・・コレはもう・・・クッ使用済みさ・・・」
「へ?・・あ!てことは、へ、へぇ〜!ハ、ハハ・・・」
「しっ、声がでかい・・・こればかりは絶対人に知られるなよ・・・」
だが、朧な闇に紛れて、それを聞いている者があった。

隊舎牢のなかに朝の光が射し込んでいるのに、ルキアは気が付いた。
強張る身体を起こし、震える指を伸ばして確かめる。
やはり、どこにも傷はなかった。
ただ裂かれた激しい痛みだけが、内部からルキアを責め苛んでいた。
両手で顔を覆ってルキアは呟く
「・・・一護・・・」

六番隊の隊長執務室
朽木白哉はいつもながらの端正な横顔で、机の前に座っていた。
他に誰もいない部屋の中に、こそりと気配がした。
「倉木か」
「はい」
この男は、唯一執務室に自由に出入りを許されていた。
「お耳に入れたい事がございます」
白哉の側に近づくと小声で
「ルキア様の義骸の事で・・・」
耳元で囁かれる報告を、表情を変えずに白哉は聞いている。
「開発局の二人に付いては?」
「任せる」
「はい」
そしてまた、気配が消える。
何事も無かったかのように白哉は座り続けている。

やがて、執務室の扉の向こうに声があった。
「補佐官の亜網です、隊長殿、入室を」
「許す」
やけに顎の細い男が入ってきた。
「どうした」
「は、実はただ今牢内に居られます朽木ルキア様の事で、私の配下の者の一部が騒いでおりまして、
その者達の言うには今回のルキア様のなさった行為は朽木隊長殿への大きな裏切りである。
とても許す事などできん、尋問をして何故この様な真似をしたのか、理由を問うべきだ。等と申しまして、
わたくしは勿論、きつく叱ったのでありますが、血気にはやった者など何をしでかすか分からず、
ルキア様に万一怪我などさせる事になってはと…、
この際は別の隊の牢に移すなどして、ルキア様の身の安全をはか…」
「亜網、捨て置け」
「は?」
「ただの囚人に特別扱いなど必要ない」
「は、はい・・・」
「だが言っておく。囚人に傷をつける事は許されぬ」
そう言った朽木白哉の声にも目の中にも、何の感情も読み取る事はできなかった。

執務室を辞して廊下を歩いて行く亜網の肩が細かく上下する。
押し殺した笑いが漏れる。
(いつも感情をみせぬ朽木白哉が、ああ言えばあわてて牢を移すなりするかと思ったが・・・)
「賽は思わぬ方に転がったようだ・・・」
(傷をつけるな、か)
「ハ、ハハ、ハハハハ・・・・・・」

夜の冷気が隊舎牢を包んでいる。
ルキアは妙な気配を感じていた。
いつもいるはずの見張りがいない。牢の周りは静まり返っている。
ガチャリと鍵の開けられる音がして、三人の男が入ってきた。
ニヤニヤ笑いながら無遠慮にルキアを眺め、さらに鉄格子の鍵も開け中に入ってくる。
「朽木ルキア、これからお前の尋問を行う」
「こんな夜更けにおかしな事だ」
「フフ、心配するな、痛い思いはさせない」
「むしろ・・・気持ち良くなるんじゃねえ?」
ルキアは男達の目的に気が付いた。
ガシャアアァァァァァン
鉄格子を叩いてルキアは叫んだ!
「恋次!!恋次!!居らぬのかっ!恋次っっ!!!」
「ククッ幼なじみの副隊長殿は、お仕事中のようだぞ」
「それに牢の周りは人払いがしてある。好きなだけ声を出しな、これからな・・・」
「うっ」
縛道をかけられ、体の動きが封じられる。
「貴様等、こんな真似をして許されると思っているのか」
「尋問は隊長補佐官殿のご命令、何のお咎めも無ぁし!」
「朽木隊長も御承知さ」
衝撃に呼吸が止まった・・・・・
(兄様・・・が?・・・)
目の前にすうっと黒い幕が下り、ルキアは一瞬気を失う。
「おっと」
一人の男が後ろから肩を掴んだ。

もう一人が前に廻り、着物の胸元に手を掛け・・・一気に押し開く
ぐらつく足でようやく身体を支えながら、ルキアははっきりと理解した。
(私はもう白哉兄様の妹では…無いのだ)
白い肩から着物がおとされる。
ルキアの上半身が三人の男の目に晒される・・・
右側の男が手を伸ばし、ルキアの小さな乳房を軽く揺すった。
「感度が良さそうだな」
「喘いで泣くんじゃないか?入れて入れてって」
「入れてやれないんだよなぁ、傷をつけるのはご法度でね」
「だけど、この可愛いおくちの方は使えるかな〜?」
別の男が、片手でルキアの頬を挟む。
ルキアは睨みつけた。
「入れるがいい、失っていいものならな」
「ほ――怖い!マジで噛み切られそうだ」
そう言った男の顔面にルキアの手刀が炸裂した。
「ゴワッ!?」
「こいつ!縛道を解きやがった!!」
右の男の鳩尾に肘を食らわせ、前の男の顎を蹴り上げて、ルキアは牢の隅まで飛び退った。
だが、それ以上どう抵抗の仕様があったか。
鍵の掛けられた牢内、今ので既に息があがっている。
「恋次…恋次!聞こえぬのか!来てくれ!!来てくれ!!恋次ーーーーっ!!!」
男達は起き上がり、近づいてくる。

「油断したな」
「怪我をさせる訳にはいかない、縛れ」
三人がかりで押さえ付けられ、両手を頭の上で括られ、その紐の端は、鉄格子に結わえらる。
床の上に仰向けにされたルキアの目に、窓の外の月が。
満月が。
氷のように鋭く美しく。
涙で滲んだ。
男の手が腰紐に掛かる、着物の裾を開かれ、身体を暴かれる。
「これを噛ませて置いたほうが良くは無いか?」
一人が腰紐を持ち上げる。
「舌を噛み切りでもしたら…」
「いらぬ」 
と、凛としたルキアの声
「私は自ら死を選んだりなどせぬ!」
一瞬気圧される男達
「フ、フフ、いい覚悟だが、ドコまで持つかね…」
そう言った男が大きくルキアの足を開かせた。

朽木家の者としての立場も 
朽木白哉の妹としての誇りも失った
だが、まだ私に残されたものが有る
決して自ら死んだりはしない
死の直前まで前を向いている
その生き方はお前から教わった

   一護

「おはようございます、ルキアさん」
「おはよう」
「あっ、あれ?ルキアさん、手のとこ、あ、足にも、赤くなっていますよ」
「ああ、これか?実は夕べ虫が出てな、どうやら刺されたらしいのだ」
「ええ!大変だ!どこです、虫・・・」
「花太郎、心配ない、虫はもういないよ」
そう言って笑ったルキアの顔が、きれいで、眩しくて、花太郎は少しドキドキする。
「ルキアさん、また現世の話して下さい・・・」
「うむ現世か、現世ではテレビの中継というものを見たぞ。そこで私と一護が……


(完)