「きゃあぁっ!!」
いきなりの虚の行動に思わずルキアは悲鳴をあげる。まさかこうなるとは明らかに予想外だ。
かわいらしい黒の水着は無残にも引き裂かれ、その布がひらひらと舞い落ちる。
体にまだ幾分かの布が残ってるとはいえ、今のルキアは半裸も同然だ。
しかも四肢は虚の触手によって身動きが取れないようになっている。隠したくても隠しようがなかった。
「貴様!!一体どういうつもりだ!」
焦りを見せないようにして、ルキアが強く叫ぶ。
『ここまでしたのにまだ解らないのかい…?』
粘着質な虚の声と共に、ルキアの耳を彼の触手がぬるりと掠めた。
「やっ…!」
そこでぞくりとする。まさか、まさかこの虚は私を……。
「なっ…、やっ、やめぬか!私は貴様にどうこうされる筋合いなどない!!」
慌てていっそう手足をじたばたとさせる。すると触手の戒めはいっそう強くなった。
「痛っ…!」
『そう嫌がらないでおくれよ…。お楽しみはこれからなんだから…』
無機質な仮面がにやりと笑う。そしてルキアの体めがけて、大量の触手がうごめいた。
「や、やあぁっ!!」
薄暗い洞窟の中でルキアの白い肢体にどす黒いぬめった触手が次々と魔の手を伸ばす。
背中に、腰に、あるいは胸に。
数本の触手がルキアの白い乳房を這いずり回る。触手によって、その乳房はふにふにと形を変えた。
「ああっ…!やっ、…やめっ…!!」
それから離れようと胸を後ろにずらそうとすると、他の触手がルキアの体をしっかりと固定した。
逃げようとしても、逃げられない。触手は湿ったその先をそっと乳房の先端に近づける。
ころころとその先端を転がされると、甘い快感がルキアの体に走った。
「あ…ん…!!」
思わず出た嬌声にぞっとする。虫唾が走るほどに嫌悪しているのに。
『我慢することは、ないんだよ…』
諭すようにそういう虚を、今すぐに葬り去ってしまいたかった。
「やめろ…!っやめてくれ…!!」
目に涙を溜めてルキアが叫ぶが、虚の触手は変わらず彼女の体を嘗め回した。
触手の先についている無数の小さな吸盤が、彼女の乳房の先端にきゅうと吸い付く。
もう片方は強く揉みしだかれ、数本の触手がリズミカルに先端を擦りあっている。
「はあぁん…!やあ……!!」
拒絶しながらも、ルキアはつい甘い声を上げてしまう。
吸盤に耳たぶを責められたり、焦らすように腰周りを這いずり回られると、何故か下腹部がじんと痛んだ。
(嫌なのに…!こんなやつにこんなことをされるなんて…、屈辱にもほどがある…!!)
固定された足元から、数本の触手がじわじわとのぼってくる。そのぬめりに不服にも快感を覚えながら、
ルキアはすぐに両足を閉じようとした。しかしそうはさせてくれない。むしろ半ば無理やりに足を開かれてしまう。
「やめろぉ…!!」
『恥ずかしがらなくてもいいんだよ…』
「たわけ…!そういう問題ではない…!!」
両腕は一本の触手に捕われ、両足は数本の触手によって大きく開かれている。
体は地面とほぼ平衡で、宙で横たわっているような状態だ。触手がざわざわとルキアの太ももを撫で回す。
「んあぁっ…!は…、あ、ぁあ……!!」
頬を朱に染めたルキアが堪らず小さく鳴いた。そしてその触手はゆっくりと彼女の秘部へと進入していく。
ただ、最初は焦らすようにルキアの薄い陰毛を優しく刺激して、そのぬめりでしっとりと濡らした。
「ん…、やあ……」
だんだんと頭が痺れてきて、理性のタガが外れてゆく。
(だめだ…!このままでは相手の思う壺ではないか…!!)
そう言い聞かせても体に力が入らない。
寧ろ自分の入り口部分を触るか触らないかの狭間で蠢いているそれらをじれったく感じた。
と、突然下半身が大きく持ち上げられる。虚が彼女のソコを見ようと自分の目前に持ち上げたのだ。
『…嫌がっている割にはすごく、濡れているようだね…』
もはやむき出しになっているそこは、既に赤く熟して半透明の蜜をとろとろと発していた。
「いやぁああ……」
恥ずかしいはずなのに、何故か一層気持ちが昂ぶったような気がした。
一方砂浜。ビーチパラソルの影で心地よく眠りを満喫していた一護は、
突然近くで大声で騒いでいる子どもたちによって目を覚ましてしまう。
「わーっ!なんだこれー!へんなのー!」
「どうやって動いてるのかな?チャックは…」
「うるっせー!さわるんじゃねえガキども!!俺様は急いでんだよぉ!!」
(……?)
どことなく聞き覚えのある声に、無視していたのをやめて上半身をあげる。
と、声を上げる間もなくびしょぬれの物体が一護の顔面にへばりついた。
「一護―――っ!!この野郎こん畜生人が一生懸命てめぇを探してたってのに、おまえってやつは―――」
「…コンかよ」
言い終わる前にそれをべしりと引き剥がす。何故かびしょぬれ(しかも砂でどろどろ・昆布つき)
のコンは半泣きで手足をばたつかせていた。
「なんなんだよ一体…。…そういえば俺どれくらい寝てたっけ…。ルキアはどこいったんだ?」
「ばかやろーっ!!その姐さんが今大ピンチなんだよ!!虚に捕まって、
俺だけ逃がしておまえを呼んで来いって…!!」
「なんだと…!?」
それまで寝ぼけていた脳が一気に目覚める。神経を研ぎ澄ませて見れば、
確かに大きな霊圧がどこかで蠢いているのを感じ取る事が出来た。
「グローブは!?」
「このリュックの中だ!!」
水の重みで動きにくそうにしながら、コンがもそもそと近くに落としたリュックを指差す。
「ルキア……!待ってろよ……!!」
強い霊圧を感じる洞窟の方を見ながら、一護はグローブを握りしめた。
洞窟は静かだ。ただぬめぬめと動く触手の音と、ルキアの荒い息遣いのみが響いている。
更に二本の触手が虚の背中から飛び出し、ルキアの小さな花弁をぴっと大きく開いた。
「んはぁ……」
露になったそこは綺麗な桃色で、自身の蜜に溢れててらてらと妖しい光を放っていた。
外気に晒されたために冷たい空気がそこを刺激して、ルキアは思わずぴくりと身じろぎする。
『すごく綺麗だ…。今気持ちよくしてあげるから…』
そういって虚は大きく長い舌でルキアの入り口をべろりと舐めた。
「ひゃ…!あん…!!」
ルキアが眉をしかめてそれに答える。
更に虚は二つに分かれた舌の先を器用に使って彼女の蜜壷を丁寧に舐めあげた。
ぴちゅ、ぴちゅといやらしい水音が洞窟に響き渡る。
「あん…!や…っ、だめ…!ふ、あはぁ……!!」
小さな割れ目を縦横無尽に這いずり回り、触手でぷっくりと腫れ上がった性感帯をなぞられると、
蜜は一層溶け出して、ルキアの下腹部はどうしようもなく疼いてしまう。
「はぁん!あぁっ…!やぁ、んは……!こ、こんなの……!!」
舌で肉豆を転がされながら、今度は太い触手がルキアの秘部を激しくこする。
「やっ!だめだぁ…、ん、ああ…!あん!ふぁあん!!」
もうどうしようもなく焦がれてしまって、思わず自分から腰を振ってしまう。
未だに中に侵入されないのが、とりあえず安心なようでいじらしい。
濡れそぼった蜜壷がひくひくと鳴いた。何を求めているのか、自分でもわかってしまう。
『キミはなんていやらしい娘なんだ…。少しばかりお仕置きが必要だね』
一番太い触手が確認するかのようにルキアの入り口をぐちょぐちょと撫で繰る。
「んあっ!はぁ…、やぁ……!!」
そのまま中に入ってきそうな勢いにルキアは嫌悪と快感で目をぎゅっと閉じた。
―――と……。
『ぎゃああぁあああぁぁぁっ!!』
割れるような虚の悲鳴と共に、自分が地面へと落ちていく感覚。
「うわあ…!!」
と、自分の体が誰かの腕の中に着地した事に気づく。顔を上げると、そこには一護の顔があった。
彼はルキアに纏わりついていた触手を一掃し、ルキアを助けたのだった。
「ルキア…!遅くなってすまねえ……!!」
「一護…」
安心して、ルキアが彼の名を呼ぶ。一護は落ちていた白いジャケットをルキアの体に羽織らせた。
「…よくもまあ丸腰の女をここまで苛めてくれたもんだ…!!」
頬を引き攣らせながら、悪鬼のような表情で一護が吐き捨てる。
彼は怒っていた。その怒りに比例するかのように、彼の霊圧も恐ろしいほどに上がっていくのがわかる。
『なんだ、おまえは……』
虚はちぎれた数本の触手をゆるゆると宙に浮かせながら二人を見やった。
「この度めでたく本業死神就職した新米死神だよ」
一護がにやりと笑う。
『邪魔をするなーーーーーっ!!!!』
そんな彼を無視して、虚はまだ傷ついていない触手の束を一気に一護へ向かわせた。
「ルキア!そこで待ってろ!」
腕の中のルキアを洞窟の端において、一護は真っ直ぐ、迫りくる触手の方へと走った。
触手の先から変な液が飛ばされる。
早速避けたものの、服についたそその液は彼の死神装束をじわりと焦がした。
「!?」
それに気を取られると次は先を鋭くした触手が一護めがけてやってきた。
「あぶねえっ!」
それを慌ててかわし、続けて迫りくる大量の触手を斬魂刀で一掃する。
『ぎゃあああああっ!!』
さっきと同じような悲鳴で、虚が堪らず後ろへと退いた。
「ルキアを相手に選んだことを後悔するんだな…!!」
虚の顔面まで大きく跳んで、それだけ言うと彼はその仮面を真っ二つに切り裂いた。
オオオオオオオォォォォ……!!
唸るような風が吹いて、虚はぼろぼろと崩れ去っていく。その最後を見ようともせずに、一護はルキアの元へと駆け寄った。
「ルキア!!」
「大丈夫だ、一護…」
ルキアが何をされたかはもちろん一護も察している。
しかし赤く染まった頬に潤んだ瞳で見上げられると、彼はどうしようもなく動揺してしまった。
「…と、とにかく体、洗い流した方がいいだろ。ちょっと俺の体取ってくるからそこで待ってろよ」
少し赤くなった一護には気づかず、ルキアはただ頷く事しか出来なかった。
(完)
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