朽木ルキア大ブレイクの予感パート12 :  624氏 投稿日:2006/02/22(水) 01:35:30


ギンルキほのぼの


あやつは苦手だ…何を考えているのか全く分からない。
分からないから恐い―…なのに…

***

今日は非番の日。久しぶりなのでのんびり本でも読んで過ごそうと思い書庫へと足軽に向かう…と、その時。
「ルーキアちゃんv」
やつはそう言いながらいきなり現れた。

「いっ市丸…隊長…?こんな所で…何を…」
「そなに驚かんでも…暇なんでフラフラしとっただけや。それよかルキアちゃん、よかったらこれからボクに付

き合ってくれへん?」
「でっでも」「どうせルキアちゃん非番なんやからいいやろ?」
私の言葉を遮るようにそう言って、やつは私の手を半ば無理矢理ひいていった。

***

「ここや!」
書庫を出て随分と歩いて着いた場所はソウルソサエティを一望できる程の高い丘。
「ここは…?ソウルソサエティにこんな場所が…」
「そらぁそやろ。ここはボクの秘密基地やからなァ!」
「そんな大事な場所に何故私を…」

全くもって分からない。秘密基地と称する程大切な場所に私を連れてくるのか…
「そんなん決まってるやろ?好きだからや」
「…ぇ?」
一瞬何を言われたのか分からなかった。からかっているのか…?

「なっなんの冗談を…」
「冗談やない。ほんまに好きや。初めて見た時からずっと…」
「わっ私は…っ!私は…市丸隊長に嫌われてるのかと…なのでそのような話……?!」

そう言った時の奴の顔はとても優しく、悲しそうな顔だった。

「ごめんな。ずっとずっとボク自身どうすればいいかわからなかったんや…でも信じてや」
「…そんな顔もするのですね」
「市…丸たいちょ…」
「ギンて呼んで」
そう言っていきなりルキアを引き寄せ抱きしめた。

「?!いちま……ギ…ギン…」
「大好きやルキアちゃん…ルキアちゃんの口からも聞きたいなァ」
「なっ…私の気持ち分かっているくせに!」
「ボクだけ言ってルキアちゃんから聞けないのはズルイやろ?それともほんまはルキアちゃんはボクの事嫌いな

ん?…悲しいなァ」
「わっわかりました!!わかりましたから…」
「…その」
「うん」
「えと…」
「うん」
「…やっぱり恥ずかしくて言えません…」
「ふーん…んじゃぁ態度で示してもらおかなァ」
「なな何するんですか?!」
「キスして。ルキアちゃんから」
「ッ…!!」

意を決した彼女は次の瞬間、背伸びしてギンの唇に触れた。
ほんの一瞬、触れるだけの優しいキス。
「よくできました」
そう言ってギン小さな彼女の頭を撫でた。

***

「さっきの言葉、一生忘れませんよ。今更他の女性が良いと言っても知りませんからね。」

「そんな事あるわけないやろ」

そうですか。そう言って初めて見た彼女の笑顔は、今まで見た中で一番綺麗な笑顔だった。

***


(完)