朽木ルキア大ブレイクの予感パート12 :  591氏 投稿日:2006/02/20(月) 00:12:56


月浴び


深夜、ふと目を覚ますと寝息の音がひとつ足りなかった。
恋次は慌てて身体を起こし、仲間の様子を確かめる。
人数と寝息の音は同じだった。皆、息をしている。一人足りないのだ。ルキアがいない。
こんな夜更けに一人で出掛けたのか。
(アイツ…なんで黙って…!)
恋次はまだ暗い空の下、駆け出した。

大方心当たりのある場所へは足を運んでみたものの、どこにもルキアの姿は無かった。
もしかして、野犬に襲われたか、人売りに捕まってしまったのでは……
恋次は頭をぶんぶんと振って嫌な予感を掻き消した。
そうだ、もしかしたらすれ違いでルキアはもう家に帰ってきているかもしれない。
きっとそうだ。
それで今度は、ルキアが泣きそうになりながら俺の帰りを待っているに違いない。早く帰って安心させてやらな

いと。
恋次は家へ向かって再び駆け出そうとした。

しかし、その時近くを流れている川から不規則な水音が聞こえて恋次は立ち止まった。
そっと近付いて草の影から覗いてみると、やがて水面から一つの影が浮かび上がった。
ルキアであった。
その光景に、恋次はごくり、と喉を鳴らした。

昔、今よりもっとガキだった頃は何も気にせず裸になっていた。
しかし何時からかルキアの胸がほんのり膨らみだして、水浴びの時に皆でそれをからかった事がある。
ルキアは顔を真っ赤にして怒り、それ以来皆の前で肌を出さなくなった。


恋次は目の前の光景に釘付けになっていた。
久しぶりに目にする裸のルキアは、まるで別の女のようだった。
胸のささやかな膨らみが、くびれた腰のラインが綺麗だと思った。
濡れて張り付く髪を欝陶しそうに掻き上げる仕草にどきりとした。
ちょうど腰あたりまでの水面が、ぎりぎり大事な部分を隠しているのがもどかしい。
満月の光を受けて、ルキアの肌を滑る水滴がきらきらと輝いていた。

…この世界のどこを探したって、これより綺麗な景色なんてあるわけがないだろう。
身体中の血が沸き立った。

やがてルキアが水浴びを終えて岸へ上がろうと歩き出したとき、恋次も飛び出していた。
「れ、恋次!?」
突然現れた恋次に驚いたルキアは、目を見開いて叫ぶと再び川へと後ずさった。
恋次は構わず川の中へ進み、逃げようとするルキアを追い掛けた。
「なんで逃げるんだよ」
程無くして恋次の腕がルキアを捕らえ、岸へと引っ張っていった。

ルキアは顔を真っ赤にしてじたばたともがいている。
「何で黙って出掛けるんだよ。危ねえだろ」
できるだけ優しい声でそう言えば、ルキアは暴れるのを止めて「すまぬ」と謝った。
「で、でも…お前たちがからかうのが悪いのだ」
腕で胸を隠したルキアは恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「またからかわれると思って隠れて水浴びしてたのか?」
「うむ」
「俺から逃げたのも?」
「う、うむ」
「他には?」
「え?」
「俺が今、何をしようとしてるかわかるか?」
恋次の声音が少し変わったのには気付かず、ルキアはきょとんとして首を横に振った。

「そうか…」
ルキアの胸の頂点の飾りに水滴が乗っていた。
それを舌で舐めとってやると、ルキアが身体を震わせた。
その様子に煽られて、今度は手でルキアの胸に触れた。
「れん…じ…?」
訳がわからない、といった様子で見上げてくるルキアを無視して、そっとそれを揉んでみる。
それは掌にすっぽりと納まってしまう大きさだったが、
心地良い柔らかさで、手の動きにあわせてふにふにと形を変えた。
やがて乳首が堅く立ち上がる頃には、ルキアの息も上がり始めていた。
再びそこに舌を這わせて吸い上げれば、あ、と甘い声が漏れた。

「恋次っ…。もうやめて、帰ろう?」
見ればルキアは涙ぐんでいた。初めての感覚に戸惑っているのだろう。
「皆が心配する」
「まだ寝てるさ。大丈夫だろ」
そう言って、恋次は宥めるように口付けを落とした。
胸にあった手を脚の間まで滑らせる。
「やぁっ……!」
割れ目に侵入してきた指に、ルキアは思わず大きな声を上げた。
「気持ち良いだろ?」
ルキアは目をギュッと瞑って答えない。
それが何故か気に障って、ぷっくりと膨れた肉芽を何度も何度も強く刺激してやった。
「あぁぁっ…!やぁ…ん」
ルキアの身体がビクビクと跳ねる。
「気持ち良いんだろ!?気持ち良いって言えよ!」
しかし、やっとルキアが口にした言葉は恋次の期待とは全く違うものだった。

「もう嫌…。…嫌だ、れんじ…」
ルキアの瞳からついにポロポロと大粒の涙が零れだした。
その姿に、途端に恋次の中に罪悪感が生まれた。
でも、もう止まらない。
恋次は言い訳をするかのように呟いた。
「周りの大人に…いつも言われてたんだ。…早くやっちまえって」
着物を脱ぎ捨てた恋次の、その股にあるものを見てルキアが恐怖の声をあげた。
「お前には穴があって、俺はそこに挿れるモンを持ってる。
 それで充分なんだとよ、ルキア。…俺たちがこれからする事はごくごく自然な事なんだ。
 『嫌』なんて言うもんじゃねえ」

もう一度深く口付けると、引き剥がそうとしてルキアが頭を掴んできた。
その拍子に指が引っ掛かって、束ねていた髪が解けて落ちてきた。
唇を離すと、ルキアは肩で息をしながら恋次を睨みつけた。
「一体、何をするのだ」
「すぐわかるさ」
ぐい、とルキアの脚を左右に大きく開けば、その中心は月光に照らされてぬらぬらと光っていた。
恋次は熱く猛り狂った自身をルキアの秘所に宛った。
「怖い…っ!!」
ルキアは泣きながら嫌々と首を振った。お願いだからやめてくれ、と瞳が語っていた。
「心配すんな。最初は痛えかもしんねえけど…「違う」
恋次の言葉をルキアが遮る。
「お願い…やめて、恋次。今のお前は…とても怖い」
鳴咽交じりに切れ切れに言われたその言葉に、頭にカッと血が登った。

どうして。
どうして俺の事怖いなんて言うんだよ。

恋次は怒りに任せて乱暴に貫いた。
「いやあぁぁー−−−っ!!!」
激しい痛みにルキアは絶叫した。
無理矢理押し入って来た異物を拒むかのように、ルキアの膣はきつく恋次を締め上げた。
結合部に手をやれば、ぬるっとした感触がする。口に含めば鉄の味がした。

恋次にとて初めての経験なのだ。
特に我を忘れた今の恋次には、ルキアを気遣う余裕など無かった。
「すげえ…」
初めて味わう、ルキアにぴっちりと包まれて締め付けられる快感に恋次は溺れた。
ただ夢中で腰を打ち付けていた。

ルキアがどれだけ叫んだって誰も来ない。
戌吊では強姦など日常茶飯事なのだ。此処は、そういう所なのだ。

ルキアの悲鳴がいつの間にか止んでいた。
その代わりに、熱い息と甘い声が混じりあって漏れていた。
ルキアのそこから温かな水が溢れ、恋次の動きを助けていた。
「ほら…な?」
特に応えを求める訳でも無く、恋次はニヤリと笑って囁いた。
「あぁぁっ…!」
ある一点でルキアが一際大きな声を上げた。
そこを目掛けて何度も突けば、内部がきゅうっと収縮して恋次を締め上げた。
恋次もそろそろ限界を感じて速度を上げる。
律動に合わせて、ルキアの口から途切れ途切れの声が漏れていた。
「あ、れん…じ…ああぁぁぁっ……!」
ルキアの脚が空を蹴った。
何度も激しい収縮を繰り返すルキアのそこに導かれるようにして、
恋次も熱い液体をルキアの中に思い切り注いだ。

疲労と脱力感に襲われながら、恋次はぐったりと気を失っているルキアを抱えて再び川へ入った。
砂の付いてしまった髪や肌、己の血液と蜜と恋次の精液にまみれた下半身を丁寧に洗ってやった。
ルキアの小さな背中にはたくさんの痣ができていた。
岩があちこちに転がっている岸辺で抱いたからだ。
ルキアの瞼は赤くなって腫れていた。目尻についた涙の跡を指でぐいっと拭ってやると、
再びそこにぽたり、と水滴が落ちた。

ルキアの涙ではない、川の水でもない、恋次の涙だった。
自分でも気付かぬうちに、恋次は泣いていた。
ルキアに落ちた一粒の涙は恋次の心にも黒い染みをつくり、それはじわじわと広がって
恋次の心を覆い尽くした。

ルキアが好きだった。何よりも大事だった。
この街に溢れるありとあらゆる汚いものから護ってやりたかった。
それなのに。
ルキアをこんな目に遭わせたのは他でも無い自分なのだ。
「ちくしょう…」
もう一粒の涙がルキアの頬に落ちた。

「ん」
ルキアは微かに眉を顰めた後、ゆっくりと目を開いた。
勝手に身体を洗われたって目を覚まさなかったのに。
恋次の顔を見ると、その涙に驚いたようだった。

頭ではわかっているのに言葉が出ない。
そんな恋次をルキアはただ見つめて、そして優しく笑った。
「男が泣くな。たわけ」
そう言ってルキアは驚く恋次の頭を抱き抱えた。
「痛かったのだぞ…それに、とても怖かった」
「ごめん…ルキア、ごめん……!!!」
ルキアの言葉に、つかえていた謝罪の言葉が恋次から溢れ出した。
ルキアは暫くの間ただ黙ってそれを聞いていた。

「でもな、恋次」
ルキアは一度抱えていた恋次の頭を離し、今度はこつん、と額を合わせた。
「今の恋次は、怖くないよ」

その言葉に、笑顔に、心を覆い尽くしていた黒い染みが少しずつ乾いていく気がした。

「さあ恋次!私は腰に力が入らぬから、お前が家まで運ぶのだぞ!」
「お、おう…」
ルキアに服を着せて、皆の所へ帰るべく抱き上げると、俯いたルキアがぼそりと言った。
「今度する時は…その時は、もっと優しくするのだぞ」
辛うじて見える耳は真っ赤だった。
ルキアは決して『許す』とは言わない。けど、あんな事をした俺を拒まないでくれた。
「任せとけ!」
そう言って恋次はルキアをしっかりと抱きしめた。

恋次以外の、ありとあらゆるものから護るように。


(完)